第三十一回 SUZUKI ジェベル250XC
北海道へは毎回レンタルバイクで出かけています。
そしていつも、オフロードを意識したバイクを借りています。
これまでもいろいろなバイクを使いましたが、どれもやはり「借りた」感が強く、いまひとつの乗車感のもとに旅を続けてきました。
今年は、しっかりと林道を走りたい。
そんな思いで探し出したのは、このバイクでした。
ジェベル250XC。DR250Rに旅仕様を施したバイクです。北海道に関しては最強とも言えるバイクでしょう。
その最大の特徴は、巨大なヘッドライト。とても明るく、広い範囲を照らすライトは夜間走行の安心感を高めます。
もうひとつが巨大なガソリンタンク。17リッター入ります。
比較的燃費の良い初期の強制開閉キャブ付きなら30km以上は走る。400km以上無給油で走れますから長い林道を走って山奥へ行くのにもガソリンの心配はありません。
大きなタンクですが、さほど幅は広くない。10リッターのDRと比べても乗った感じの違和感はほとんどなく、バランスに優れています。
スズキの弱点はシートですね。幅も形も硬さも全てが良くない。これでヤマハクラスの出来の良いシートがあれば本当の最強ツアラーだったでしょう。
リヤのキャリヤは標準装備。マフラーのヒートガードもついており、振り分けバッグなどにも対応。
ハンドルガードも大型のものが付いており。冬場でも冷たい風が当たらない。
デジタルメータの草分けです。多機能でラリーにも使えるほど。裏技もたくさん。
このメーターはギヤからケーブルで引き込まれており、センサーはメーター内にある。機械式メーターの国産車両にならば簡単にリプレースできる汎用性の高いメーターです。
後年GPS搭載モデルなどもラインナップされましたが、ソフトの更新もされず短期間に姿を消しました。
標準車高と低車高の2モデルを用意していました。これは低車高モデルです。ゴムダンパーも低い位置にありますから正しい低車高です。
この車両、D603を履いています・・・北海道には勿体ないでしょ・・・
おかげで林道での安定感は良好でした。普段使いの自分のバイクと同じようなものですから。
余談ながら、このバイクの前オーナーは好き者だね。ビードストッパーが付いていたり・・・
・・・キックが付いていたり。キックがあるとキックでかけたくなるのは人情というものでしょうか。
この車両は96年の初期型、キックはオプションです。キャブも強制開閉のモデルで、非常に良く整備されていました。
林道へ入ってもまったく不安無く、いつものように走れてしまう。まるで自分のバイクのように。
このバイクのおかげで、楽しいツーリングになりました。
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