File62 ミニモト用中華パーツ

 私の相棒、モンキーbaja”こばは号”は、私もまだ20代の前半だった91年に購入した初期型です。今では町中で見かけることもほとんどなくなりました。実家に預けたりしながらも一応手放すことなく、しかもノーマルのまま維持してきたわけですが、オーナーと同じく彼も年をとりまして…
 現時点で17歳となったこばは号。外装ボロボロ、タンク内に錆び、穴が空く寸前のマフラー、前後ブレーキの固着、フロントフォークのガタつき、スイングアームの作動不良、クラッチプレートの磨耗…そしてエアクリーナエレメントの欠損、キャブレターの汚れ、詰まりによるエンジン不調と、すでにまともに走れる状態ではなくなっていました。ちゃんと直すには相当な手間が掛かりそうです。
 正直な話、手放すことも考えましたよ。今更直して乗る意味があるのか?という思いもありまして。昔ほどバイクに乗る時間は作れないのに、手元にはファンデューロの他にもう一台、エリミネーター125も。今はトランポツーリングも出来なくなりましたから、こばは号が無くなっても何も問題はないわけです。かといって、手放したら二度と買えないと思うと、やっぱり惜しいんですよね。
 
 不動のまま駐車場の片隅に放置すること1年半。意を決して、直すことにしました。
 ただし、そのまま修理するのでは意味がありません。他に乗れるバイクがちゃんとありますし、通勤とか買い物のチョイ乗り程度でも日常的に使おうと思うと、圧倒的(?)な遅さ、不安定な車体、利かないブレーキは、ストレスを通り越して危険です。今更ノーマルにこだわる必要もありませんから、性能的に明らかに劣る部分は社外パーツなども使い、ある程度まともな乗り物として仕上げたいところです。
 モンキー用の改造パーツは「クランクケース以外なんでも社外品で手に入る」と言われるくらい無数にありますが、度を超すと改造費100万円以上にもなる世界です。もちろん、とにかく修理することが第一なので、いきなり大幅に改造しようというつもりはありません。現状ダメになっている箇所を、修理ついでに性能アップ出来ればという程度です。前後の足回り、ブレーキ、キャブ、マフラー…
 しかしそれだけでも、軽く10万や20万の出費は覚悟しなければならないようです。例えばフロントブレーキをディスクにするだけでも、ディスクローターを取り付けるための専用ハブや、キャリパーが取り付けられるフォークなど、多くの社外パーツを必要としますから。
 ファンデューロの車検代捻出に頭を痛めるような生活をしている私に、今用意できる予算はせいぜい4,5万程度。純正部品でノーマルに直すだけでも資金不足に陥りそうです。何か方法は無いのでしょうか?
 
 そこで、ネットオークションで中古パーツなどを探してみます。「モンキー」で検索してヒットする商品は1万点以上。見極めが難しいですが、中には十分使えるものもあるわけです。
 まずはそれでマフラーをゲットしました。短いダウンマフラー、どうやらキタコの製品のようです。でも、ダウンマフラーを付けると最低地上高が更に低くなるため、足を伸ばす必要も出てきました。ロングフォーク、ロングスイングアーム…中古なんてそう簡単に見つかるものじゃありませんね。
 
 しかし、中古以外に安く仕上げる方法が無いわけではありません。それはどれもネットオークションで簡単に入手できる「新品」です。ただし、かなりの不安要素を抱えたもの…
 それがこの、「ノーブランド品」です。メーカー不明の輸入品という、かなり怪しい品。たとえばこのディスク&フォークセットなどは、ノーマルより5cmほど長いフォークとディスク化に必要なパーツがすべてセットになっているのに、1万円前後と信じられない値段で取り引きされています。
 ノーブランド品の正体は、中国製の模造品です。世界中に輸出されているカブ系エンジンのモンキー、コピーが作られるのも当然かと思いますが、中国には正にモンキーそっくりのミニモトがあり、そのパーツが単体で輸入されてきている模様。フォークだけでなく、スイングアームやホイール、ハンドルやタンクなど外装パーツ…なんとフレームまであります。
 エンジンはシリンダーなどのパーツ単位だけでなく、キャブなどセットした完成品も。パーツはすべて本家モンキーより大幅にレベルアップされているので、エンジンも124ccなど小型登録になるものが主流。フレームは販売証明書付きで原付のナンバー登録することが可能らしいので、本物のモンキーを持っていなくても中国製パーツを集めれば、ちゃんと公道で乗れるバイクが1台完成してしまいます。しかも値段は半分以下に収まる可能性が。
 じゃあ最初からこれを使えばいい…てなわけにはいきませんよ。ノーブランド品=ブランドのわからない品、補修パーツの類はまず手に入りませんから、オイルシールやベアリング、ブレーキパッドなど消耗品をどうするかという問題があります。下手をすればセット一式まるまる使い捨てになりかねません。
 そして、何より製品自体に相当な不安があります。ギョーザで話題のメタミドホス系殺虫剤が付着しているわけではありませんが、加工精度など全く信用できるものではありません。最悪、買ったけど取り付け出来ない…なんてことも考えられるわけです。
 ネットで見かけるモンキーマニアの話には、やはり中国製パーツに対する肯定的な意見はありませんでした。いくら安くてもこんなものを買ってはいけない、信頼の置ける日本製のパーツを買うべきだと。まあ当然ですね。売っているショップ(オークションの出品者)自体が自己責任を明記するような危ういモノですから。
 
 てなわけで…買っちゃいました(爆)
 もちろん安さに惹かれて。1円スタートのオークション、私の落札価格は9500円でした。
 製品に対する不安はもちろんあります。でも、ダメならダメで、ネタ的においしいなと(爆)
 
 フォークは26φという珍しいサイズ。どうやら早矢仕のフォークがコピー元のようです。見た感じでは結構しっかり作られてます。
 ディスク用のハブは、スクーター用のようなローターとセットで。このハブだけでも、日本製の社外品だと数万円する代物です。
 片押しシングルポットのキャリパーは、あまり見たことのない形。パッドはスズキのスクーター用が近い形なので流用可能かも?まあパッドが減るほどの走行距離にはなかなか到達しないと思いますが。
 ノーマルのフロント周りを取り外し、ヘッドベアリングからすべて中華パーツに交換します。
 とても綺麗なクロームメッキのトップブリッジですが、ハンドルクランプの取り付け穴は普通のモンキーに合わせてあり、モンキーbajaには幅が広すぎてギリギリでした。形が合わない部分をワッシャー2枚挟んで調整したりしているので、ハンドルの取り付け位置がノーマルより2cmほど高く、前後も2cmぐらい前になってます。これはしかし、ノーマルの窮屈さが少し解消されたので悪くないでしょう。
 なにしろ説明書の類は一切無いので、取り付けはすべて勘です。ノーマルのハブから取り外したフロントホイール、同じように組み付けてみるとバルブがローターに接触してしまいました。そもそもこちら側にバルブがあったら、キャリパーに当たって回りませんよね。
 試しに逆向きに組んでみたところ、ちゃんと左右のフォークの真ん中にタイヤの中心が合うようになりました。どうやらそれで間違いないようです。
 キャリパーとホイールのクリアランスが5mmも無いので少し取り付けにくいんですが、パッドの間隔を少し広げれば大丈夫。改造モンキーの定番、NSR50用ローター&キャリパーだと、いちいちローターを緩めないとキャリパーの脱着が出来ないそうです。
 その他、フォークへの取り付けなどは全く問題なし。精度も想像以上にきっちり出ています。
 スクーター用のような小さめのマスター。レバーなど、大きさはモンキーに合うものです。ホースの長さや取り回しもOK。
 ディスクにしたことでブレーキレバーのピボット位置が変わったため、モンキーbajaの特徴的なハンドガードは付けられなくなりましたが、むしろ無い方がスマートになって良いかも。要りそうなら後日加工して付けられないか試してみることとします。
 唯一、ミラー穴が8mmの逆ネジ、いわゆるヤマハのスクータータイプだったので合うミラーが無かったんですが、今は8mm逆ネジから10mm正ネジに変換するアダプターなんて便利なものが出ていました。可倒式のオフロードミラーを取り付けています。
 悪名高きノーブランド品ですが、このフォークセットはそう悪くないものでした。実際には走らせてみないとなんとも言えませんが、これなら他も?と期待が持てる製品です。
 
 
 さて、お次はスイングアーム。
 前が5cm上がったので、バランスを取るには後ろも同じぐらい上げねばなりません。10cmロングぐらいで、サスも長くすればOKでしょうか。
 実はロンスイに関しては、昔から付けたかったものがあります。それはこれ、モノサスキットです。
 理由は簡単。BAJAレプリカがなんで2本サスなのって(笑)スクランブラーじゃあるまいし。まあモンキーだからしょうがないんですけど。オフはやっぱりモノサスですよ。
 てなわけで購入。もちろんこれも中華パーツです。オークションでの落札価格は、なんと5500円!国産の何分の1?
 しかしこれは、ある意味すごい代物です。国産じゃまずお目にかかれませんね。
 各部は鋳物で作られているんですが、いい加減な仕上げはまるで子供の粘土細工のよう。強度重視というより薄く作る技術が無いらしく、アルミ製なのに相当な重量です。もしかしたらNSR50の鉄スイングアームより重いかも?
 それでも鬆が入ったりしてなきゃOKですが、フレームに取り付けるモノサスアダプター、バフ掛けされて綺麗だと思いきや、裏に窪みが(汗
 まあ…大丈夫でしょう。多分。たまにチェックすれば…
 モノサスのスイングアームは、サスのスペースを確保するため必然的にノーマルよりかなり長くなります。この中華ロンスイも16cmロングでした。
 モノサスロンスイは見た目重視的なところが多分にあり、性能自体は2本サスの方が良いらしいんですが、アダプターの取り付け位置で車高調整が簡単に出来るという利点があります。今回のようなケースには最適ですね。それにサスはNSR50用のコピーなので、性能アップしたければNSR用のアフターパーツでガスショックを使うことも出来ます。
 フレームへの取り付けはほぼ問題なく出来たんですが、モノサスアダプターが小さな2Vバッテリーと干渉します。てなわけで、外してしまいました。こんなもの無くてもエンジン始動前にニュートラルランプが点かないだけ、バッテリーレスのオフ車ならそれで普通なので問題ありません。
 あとはリアホイールを取り付けて、ですが、ブレーキパネルの回り止めが溝に入りません(汗)仕上げが悪いのでサイズ通りに作られていないようです。グラインダーで少し削って対応。
 ちなみにこの回り止め、国産品だとスイングアームに溶接されているんですが、中華ロンスイは別体のパーツをボルト止めです。チェーンのアジャストを長く取るために、回り止めの取り付けを2カ所設定してある所以ですが、この部分、リアをディスク化する場合は不要なので、溶接されているものは切り落とす必要があるそうです。その点、これなら外せばいいだけですね。しかも、ディスク化の際にトルクロッドを取り付けるためのステーが最初からスイングアームの下に付けられています。仕上げはいい加減でも、小技だけは効いているという…
 気を取り直して、ホイールを装着します。アクスルシャフトを通し、ナットを締めて…ですが、締めない状態では3mmほどの隙間が(汗)まあ許容範囲ですけど。純正品でもこのぐらいのものはザラにあります。
 アクスルやチェーンアジャスタはモンキーのノーマルがそのまま使えます。しかし、アジャストの目盛りは刻まれていません(汗)アクスル穴の見え方などで対応必須です。
 ブレーキロッドも中華ロンスイの付属品に交換します。長さは十分。ただしノーマルのようなオフセットが無く、ただのまっすぐな棒なので、ドラムのブレーキアームに対して斜めに当たります。とりあえず使えないこともないんですが、無理があるのでアジャストナットはスパナで回さないと動きません。
 そこで、手曲げしてオフセットを作ります。必要なオフセット量は4cmほど。加工はいたって簡単。
 タイヤよりも前までホイールと平行にしたので、ワイドホイールとかワイドタイヤに交換すると干渉しそうですが、そんな予定は無いので大丈夫です。これで問題なく動作するようになりました。
 
 
 あとはキャブレターですが…
 さすがにこれは、あまり安すぎると怖いですよね。でも実際にあるんですよ。マニホールドとパワーフィルターがセットで1500円!なんて恐ろしいものが(汗
 モンキー用ビッグキャブの定番は、KEIHINのPC20とか。1500円の中華キャブは「PC20系」という謳い文句ですが、値段は10分の1です。さすがにちょっと…
 で、買ってみたわけです(爆)
 いや、さすがにこれはまともに使えるとは思ってません。ほとんどネタ作りのため(爆)まあ使えりゃ儲けモノだなと…
 PC20タイプなんて言ってますが、外観からすでに全然違います(汗)本物のPC20はフロートチャンバー四角いんですよ。むしろモンキーのノーマル、PAに似てる。これは同じKEIHINでもCD90のキャブ、PB18がコピー元かと。
 付属のマニホールドとパワーフィルター。
 マニホールドは少し口径が大きすぎますね。しかもずっと同じ内径ですが、モンキーbajaのシリンダーの吸気口はもっと細いので、かなりの段差が出来てしまいます。定評あるキタコのマニホールドはきちんと前後の口それぞれに径を合わせてあるのでテーパー状なんですが…そんな加工技術は無いのか、そこまでする必要は無いと思ったのか。
 ステンならぬユニクロメッシュで紙フィルターを挟んだパワーフィルター。外観はわりと綺麗に出来てますが、中を覗くとボンドが(汗
 ボディも全体的に細かいバリなどが残っていて、仕上げの悪さが目立ちます。ひとまず必要な穴が通っていないとか、逆にとんでもないところに穴があるというようなことはなさそうですが。
 穴と言えばジェット類。「初期番数は不明」て…なるほど、番数の刻印が無い(汗)それでは後のセッティング出しに困ります。最初から番数のわかる国産品を使った方が良いでしょう。KEIHINのジェットが使えるらしいので、PC20用のメイン#80、パイロット#35を用意。
 しかし、実はキャブが届くのを待たずに買ってしまったため、パイロットの形が違っていました。やむを得ず、中華パイロットをそのまま使用することに。
 メインは確かに同じ種類で問題なし。刻印の無い中華メイン、#80より若干小さい気がするので#78ぐらいでしょうか?
 セッティングに利用出来るかとも思ったんですが、拡大してよく見るとバリだらけ、肝心のジェットの穴も少し歪です。使わない方が無難でしょう。
 ジェット交換で補いきれないセッティングはニードルの高さで調整します。原付のキャブだとニードルのクリップ位置は3段が一般的ですが、中華キャブは5段あり、より細かいセッティングが可能です。相変わらず小技だけは効いてるわけで。
 マニホールドとキャブを取り付けます…が、付属のボルトが長すぎ(汗)シリンダー側は奥まで入らず、キャブ側は突き抜けてエアスクリューに干渉する始末。ここは手持ちの少し短いボルトに交換して対応。
 ちなみにこのキャブ、角ナットが入る形なのにナット欠品?と思ったら、ちゃんとネジ山切ってあるし(汗)型どりしたのがモロわかりですな。誤ってネジ山なめても角ナットで補修出来ると考えりゃ悪くないですけど。
 最後にアクセルワイヤーを取り付ければ完成です。
 口径が大きいのでスライドバルブはもちろん違いますが、キャップの形状、大きさはモンキーのノーマルと同じ。アクセルワイヤーもそのまま使えるという話でした。
 いよいよエンジン始動!…いきなり全開(滝汗
 アクセル触ってないのに回転急上昇。スライドバルブの付け方は間違えていないはずです。でも念のためパワーフィルターを外して覗いてみると…スライドバルブが下まで降りていない(汗)最初からアクセル半開き状態でした。
 試しにアクセルワイヤーを外して入れると、ちゃんと底まで落ちます。原因は間違いなくアクセルワイヤーの長さが足りないせいでしょう。考えてみりゃ当たり前なんですが…
 あと2cmぐらい長くないとダメなようです。それこそPC20用とかを買えばいいんでしょうが、こんなキャブのために出費するのもバカバカしい。
 なんとかならないかと考えて…アクセルのワイヤーが掛かる溝、太鼓から3cmぐらいあります。これって別にこんなに無くても…てなわけで2cmほど削ってしまいました(爆)ダメもとなのでニッパーでぶった切り(汗)
 でも、ちゃんと使えるようになりましたよ。遊びゼロなのでハンドルを右にフルロックすると回転が上がる(汗)まあそんなに切って走れるバイクじゃないので問題は無いです。
 
 さてさて、無理矢理ながらアクセルワイヤーの問題が解決したので、エンジンはちゃんと掛かるようになりました。あとは実際に走らせながらセッティング出しすれば、今度こそ本当に完成です。
 しかし、メインジェット#80の初期セッティングはダメダメでした。明らかに濃すぎで、ボコついて上まで回りません。
 言い忘れてましたが、このキャブの口径は19mm。実はノーマルの1.5倍もあります。とはいえ、ノーマルキャブの#58からいきなり#80ではやはり大きすぎましたか。
 ニードルの高さ調整でなんとかなるレベルではなかったので、番数の小さなメインジェットのセットを購入。#5刻みに下げていくことにしました。
 
 ところが…
 まずは#75にとキャブを外したところ、なにやらボロっと…インシュレーター割れてるし(滝汗
 
 Oリングのサイズが合っていないのか、単に材質が悪いのか。欠片が一部無いので、走行中に欠落しているようです。中まで通ったヒビ、歪んだOリング。これは間違いなく二次空気吸ってますね。セッティングが合っていなかったおかげで、早く気が付いて助かったなというところでしょうか。
 しかし、中華キャブの補修パーツなんて手に入りません。もし入手できても、同じことになるのはゴメンです。
 コピーならコピー元の部品が使えるかも?と思い、PB用のパーツを買ってみました。これはカブ70のもの。思った通り、サイズはぴったりです。
 現物が来て初めて、インシュレーターではなくただのガスケットだと気付きましたが、TAKEGAWAのマニホールドみたいにガスケットだけのものも実際にあるので、これでも問題ないと思います。結局、300円足らずで補修完了(笑)
 
 
 
 というわけで…
 その後も油面の高さが合わずオーバーフローするなど、いろいろとトラブルは出ましたが、なんとか走れる状態まで持っていくことが出来ました。ひとまず「走れるように修理すること」が第一の目標だったので、それは一応達成出来たことになります。
 ちなみに中華パーツを使わなかった部分、クラッチやリアブレーキなどももちろん修理しているのですが、それらはちゃんと国産のアフターパーツで。タンクの錆は「花咲かG」を使ったクリーニングでOKでした。
 結局、固着が酷くて外すときにかじってしまい、止むなく新品に交換したスイングアームのピボットボルト以外は、モンキーの純正部品を買うことは一切ありませんでした。中華パーツを多用したおかげで、費用もなんとか予算内に収まりました。
 足を伸ばし、社外マフラーに…で外観は相当変わりました。前後フェンダーの取り付け位置なども少し弄りましたが、全体的によりオフっぽいイメージに仕上げられたので満足しています。
 走りの方もなかなか。エンジンのパワー的にはまだまだなので速くなったわけではありませんが、足回りとディスクブレーキの恩恵は相当なモノです。
 フォークは結構見かけ倒しで、3cmぐらいしかストロークしない代物でしたが、それでもノーマルには無い剛性感が良い。リアはさすがに16cmロングです。抜群の直進安定性だけでなく、路面追従性もモンキーとは思えないレベルまで上がりました。
 試しに林道へ…まあ無理はしませんけど。明らかに今までは無かった安定感が出ています。コーナーで足出して曲がるのも楽しい。ホイールサイズが小さいので不利なはずですが、重心が正しい位置にある分、オフではスクーターでリアヘビーなストマジよりも良い感じになりました。
 やはりパワー不足なので上りはスピード出ませんけど、多少足が長くなった程度で二足二輪は健在。森の中の獣道、急坂も少し増したトルクで楽勝です。
 パニックブレーキでもまったく動じず、ピタリと止まれるようになったディスクブレーキは、林道の下りでも威力を発揮。今まではフロントブレーキが全く利かなかったため、リアのブレーキペダルから足を離すことが出来ず、下りだと荒れた路面でも両足を下ろすことが出来なかったんですが、フロントのディスクだけで十分減速できるようになったため、どんな路面状況でも不安なく下っていけるようになりました。
 
 激安中華パーツ、確かにあまり人に勧められる代物ではありませんね。とにかく安く手に入るのは魅力ですけど、そのままボルトオンというわけにはいかない出来の悪さ、その後頻発するトラブルのことを考えたら安いと言えるかどうか。長く使える可能性もかなり低そうですし。自分でも、今後他の改造パーツを中華パーツで賄うことはおそらくためらうと思います。
 でも、こういう形のチューンも私はアリだと思います。大金払って国産の高級アフターパーツをボルトオン、それも否定はしませんけど、原付に100万以上って…いくら小さなモンキーでも、床の間に飾っておくわけではありませんからね。安い原付だからこそ、中古部品や他車種からの流用、そして安い輸入パーツで手頃に、しかし一見「高性能追求」みたいな感じで仕上げるのが楽しいと思うんですよ。トラブルも、直すのが楽しいと思えば…
写真・文 : 河村 敬

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