消防法が厳しくなって、プラスチック製のタンクが生き残る可能性は限りなく少なくなったはず・・・なのですが。
困ったブームがひとつ。直線的なスタイルってやつです。そしてそのスタイルを達成するために取り付けられた、タンクのシュラウド。
もともとシュラウドというのは、ラジエータの導風のためにあるもの。だから水冷の車両にしかないものだったわけです。ところが、今のシュラウドはあくまでファッションとしてのもの。それを日本の2大メーカーがやってるわけで、それがまた最量販車種のXRとセローなわけです。
これらは、鉄製のタンクに、導風の意味をあまり持たない「なんちゃってシュラウド」を付けています。もちろんそれはプラスチック。
タンク表面がプラスチックだと困るのは磁石が着かないことですよね。すなわちタンクバッグが付けにくいということ。
そんな車種のために開発されたのがこのバッグです。
セローに載せたところがこの姿。まるで純正の様にぴったりと収まっています。おそらくメインターゲットがセローなんでしょう。
もともとオフロード車はタンクバッグとの相性が悪いのですが、その形状特徴を押さえた製品が出てきたことは喜ばしいところ。
セローのタンクはベースが鉄。なので中央は磁石が着きます。
そこで考えられた手法がこれ。先端にフラップを持たせて磁石を内蔵、後ろ半分は中央のみが磁石で、それだけでは不安定なのでベルトを追加して対応するというわけです。
これはなかなか考えられた手法です。前の方はベルトが通しにくく、ベルトオンリーのタンクバッグは付けにくかった。また給油の際に不便でもあった。
それをマグネット併用として解決したというのは評価できるポイントです。
地図もツーリングマップルを折りたたんで入る大きさが確保されています。開閉が後方というのはページめくりにやや不便で、改善の余地があるかも知れません。
経常的に、前半分の容積は小さいですが後ろ半分は深く、そこそこの容積を確保できています。
しかし、大きな問題が。
後ろをベルトで固定し、前がフリー。これは一番よくない条件でもある。走るうちにだんだんずれてくるのです。これがどうにも具合悪い。セローのように窮屈な車両だと特にこの点が気になります。
ともあれ、これまで諦めるか改造するしかなかったサイド面がプラスチックのタンクを持つ車両にタンクバッグを付けることが出来るようになったのは喜ばしいことで、さらなる発展を期待したいところです。