第48話 お久しぶりに初めまして
走るのに良い季節になってきた。
近所しか走らない仕様のバイクにツーリング装備を施す。キャブを小径のものに替え、スプロケットを高速向けギヤ比に替える。東名高速の流れる速度に合わせて距離を走れる様にした。
春以来のエンデューロジャケットに袖を通し、ツーリングバッグに幾ばくかの装備を詰め込み・・・
湾岸道から東名へ。いつもより力強さはないものの軽快に走るようになったバイクを東へ走らせる。
富士川で下道向けのギヤ比に替えようとスプロケットを外し・・・って、24mmのレンチが入っていない・・・ガソリンスタンドで借りる。よし、交換と思ったら・・・スナップリングプライヤーも要るじゃないか・・・これはスタンドになかったのでドライバーとラジオペンチでなんとか交換。もう戻すのはイヤだなあ。
富士宮の駅からコマ図に合わせて走り出す。やたらオフロードバイクを見かけるが。
まあこんな感じの林道で。いつか通った道だな、とか。
あれ、会ったことのある人だな、とか。
この先のコマ図は?あれれ??とか・・・
WEB上で少し打合せしていたのだが。
道ばたに車を見つけて立ち止まる。
「こんにちは〜」
O氏(仮)である。かれこれ10年近く前になるだろうか、顔を合わせたのは・・・限りなく初めましてに近い出会いとなった。
ここ1年ほど、ある事情(以前の「怪しい軍団が行く」にもある)からWEBで再会した。鉄道、カメラ、そしてオフロードバイク。だいたいよく似た方向にいる。
通りがかったU氏も加わってしばしコマ図のお話など。
「関東へは行きます?」
『う〜ん、地図見て考えようかと思って。泊まり装備は持ってきたんですけどね。』
「ナビで見たら200kmぐらいですね。」
『結構ありますね・・・関越沿いで泊まるにしても。』
「載ってきますか?」
『・・・良いんですか?・・・お願いしようかな。』
斯くしてトレーラー上にWR250Fと並んだDR250R。
着替えようと思ったら・・・靴を忘れていた。とりあえずスリッパを借りて。
カーナビの選択は、甲府から清里を超えろと。考えもしなかったルートである。車内の話題は小海線・・・
自分で運転していないとトレーラーの存在を忘れる。快適に走るパジェロは上信越道を超え、高崎の街に降りた。
予約したホテルにDRを降ろし、トレーラーを一旦切り離す。街を走るには邪魔なので駐車場にあずけて行こうというわけだ。
なぜ街を走るのかと問われれば。
「さあ、靴買いに行きましょうか!」
・・・いやいやすいません、お世話かけまして・・・
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