四国の屋根

 なぜか夏になると島へ渡ることが増える。
 もちろん小島も良いのだが、北海道や九州やと夏のツーリング計画に心が弾む。四国もそんな島の一つで、3本の橋による走って入れる島として中部関西からはわりあい気軽に行ける場所だ。



 明石大橋、鳴門大橋と渡って四国へ上陸する。
 学校が夏休みに入り、家族連れが多くなってきた。



 徳島から池田へ。大歩危の渓谷を見下ろす国道脇の広場をベースに決めた。



 ところで、今回はトランポを利用している。毎度おなじみのハイエース、もちろんレンタカーだ。
 DRになってから初めてのハイエースなのだが、軽量で少しは小柄なので楽に積み卸しが出来てGOOD。反面サスが少々柔らかいのか、タイダウンの絞め方には少し気を遣う。

 大歩危から入って東祖谷村まで、かずら橋の横を通ってやてきた。かずら橋は旧DRの頃に来たかな。



 東祖谷からは、国道439号線である。通称「与作」の酷道である。
 そう、この道を「酷道一直線」で走ろうと計画したのはもう数年前のことだ。

 この一つ手前のカーブに小さな滝のような水場があって、そこで休憩したはずだ。
 そしてカーブからいくつ目だっただろうか・・・

 そのときぶつかった相手は、奇しくもDR250Rだったのだが。
 京柱には、良くない思い出がある。リベンジとなるか。



 しかし、ここから直接峠へ向かうことはない。今回はDRなのだ。しかもトランポ利用で軽装備。林道を走るために来たのだから。
 このあたりの林道が周回出来ることはわかっていたのだが、残念ながら長梅雨の影響で道路が崩壊し、アリラン峠へ抜けることはできなくなっていた。ダメならダメで別のルートが選択できるのがこの地域。林道は豊富にある。



 よく晴れた。ほんの2、3日前まで梅雨前線が居座ったのが嘘のような青空。標高1000mを越える高地に吹く風は涼しく、夏の盛りにも快適な走りを与えてくれる。



 林道を20kmほど走っただろうか。道は京柱峠の頂上にたどり着いた。与作のなかでも代表的な峠である。



 そんな峠に小さな茶屋があるのでしし肉うどんなどをいただく。こうした場所はよく落書き帳があったりするのだが、ここは壁一面に。もちろんライダーの書き込みも多くある。



 峠を下り、再び林道へ。
 抜けた林道がいくつもあるという環境はオフロードライダーにとってうらやましい限り。



 そしてまた、峠に出た。心地よい風が吹いていた。
 よく晴れた空が近い。四国の屋根にいる。



 やや荒れ始めた林道を下れば物部。高い橋は足下がシースルーで些か怖い。
 物部のライダースイン、泊まっても良い時間だが今日はトランポまで戻らねばならない。

 ここを走るのは国道195号線、このまま行くとかなり大回りになってしまう。ショートカットする主要な道は無いので、林道を使って山を越えることに。



 谷相林道はかつて長い峠越えのダートだったのだが、メインの峠はすでに全舗装されていた。その多くは真新しく、今年の工事によるものと思われた。
 この林道、7、8年前に訪れたことがあった。DR250RSだった。

 今その峠をDR250RWで越えてきた。年月は林道を変えていった。まだ少しはダートが残っており、その区間はなかなかに手強いものであったが、ここもいずれ舗装化されるのだろう。通り抜けられる道が少なく、位置的にちょうど良いところにあるこの林道がその使命を負ったことになる。

 トランポに戻ったときには、すでに温泉へ立ち寄れる時間ではなかった。150kmも走ってくればそれもそうだろう。



 今夜の宿は高知市まで下って。車で来るだけに楽なもの。
 ここへ来てこれを喰わねばと鰹のたたき。大きな切り身と土佐酢で大満足。



 翌朝は日曜市などながめながら少し散策とする。
 バイクでは持ち運ぶのに窮する大きなカメラを持ってこれるのは車の良いところ。



 高知城なども少し覗いておくこととしようか。早朝でまだ中にはいることは出来ないが。

 Tamlon18−200、右はTeleplus2x
 MINOLTA STF135

 せっかくの一眼レフカメラなので少し撮影など。
 ボケ味に焦がれて持ってきたSTF、残念あまり活躍の場もなく、またピントが思うところに来ていなかったり。APS換算で1.5倍、テレプラスで2倍、都合600mmのレンズも思うように活かせず。ウデと目の問題だなこれは。

 左Tamlon、右STF

 駅までは市電なども。直行がないので乗り換え券が出る。またこれで後免町まで行くことも出来たが。



 はりまや橋はいまや橋の必要など無いのだが、それでも橋でなければならないのが使命。



 車を駅前のコインパーキングに預ける。
 道交法が厳しくなって駐車禁止の取り締まりが強化された。そのために、どこでも駐車場が多く作られて車にとっては逆にありがたい結果となっている・・・今のところは。12時間まで800円、手頃で駅にも近いというのが便利だ。以前はこんな風にはいかなかった。バイクも有料でいいから駐車場を作って欲しいものだ。



 高知から、土佐くろしお鉄道に乗る。「ごめん〜なはり線」で後免からがその区間なのだが、快速列車が直通している。もともと国鉄になるはずだったのだからこうした使い方も当然か。



 アンパンマンの漫画家、やなせたかし氏によるキャラクターが各駅に付けられている。ごめんえきお君、ごめんまちこさん・・・怪しさはアンパンマンのキャラに通じるな。



 安芸までは女性車掌が乗る。安芸から奈半利まではワンマン列車。



 機能に比べると天気は若干劣るのが残念。安芸までの区間は太平洋に臨む。おおきな窓の車両は外を見るために作られているが、クロスシートが一部しか無く、横座りするしかない。路線の性格考えると失敗では?



 なはりこちゃんのお出迎えで気動車は奈半利へ着いた。



 線路は高架上でぷっつりと切れている。延伸して室戸を廻り、阿佐までつなげたい構想もあるらしいが実現の可能性は薄いと思っておいた方が良いだろう。今も各地でこうした末端が廃止されていく現状なのだから。

 列車旅なら室戸へバスで出るが、車を置いてきているので戻らなければならない。バイクで出かけているときと同じで。



 昨日入れなかった温泉と、昨日食べられなかった祖谷蕎麦は帰りに捕獲。
 つなぎの入らない蕎麦はブツブツに切れてしまうために盛りそばにすることが出来ない。温かい蕎麦がお勧めという。同じつなぎ無しの檜枝岐は温蕎麦に向かないとしていたが、事情はいろいろ。ここは無難にぶっかけ蕎麦を冷やしでいただくが、冷やしのかけ汁ほど難しいもので・・・



 有名な祖谷渓の小便小僧ははるか彼方の谷底に向けて・・・



 祖谷渓ではハイエースの巨体をもてあますことになる。バイクで走れば快適なのに。こんなところでもバスは走るが、昨今の大きなバスは物理的に通行が出来ないので古いボンネットバスが今も現役で走り続けている。前輪の前が短くできるので大きく突っ込む必要がないのがボンネットの利点。前輪の前に座るハイエースなどより条件は良い様で。



 さて、土産も買ったことだし、そろそろ帰るか・・・

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