第47話 天気と転機
毎年この季節になるといつものアレが開催される。
関西林道キャンプ会というヤツで・・・詳細は毎度のことだからどうでもいいか。
例年第三週目は土曜日が出勤だったのだが、今年は大丈夫だ・・・と思っていたら休日出勤の必要が発生。早くから行くという計画は頓挫して夕方からの出発になった。
ところがまたその日が朝から雨で。
雨なら今年も車だなあ、と思っていたら午後から回復基調。これならなんとかバイクで行けそうだ。
しかしながら、雨上がりの強風が渦巻く自宅近郊。車も横に流されるほどでどうしたものか。カウル付きで風は受けるが重さで風に強い大型車か、風を受けにくい小型車で行くか。キャンプ会はいろいろと荷物が必要だからね・・・エレファントに荷物を積むことにした。
それはそれで良いのだが、この風・・・
問題はテントではあるまいか。俺のテントは安物のドームテント、悪天に対する適応力は不明だ。
結局、テントは持たないことにした。キャンプ場にはバンガローがある。
主催のF氏に電話をしてみるが、出ない。とにかくいってみるしかなさそうだ。バンガローの空きが無ければ帰ってくればいい距離でもあるからね・・・
現地には暗くなった頃にたどり着いた。どうも人が少ないぞ・・・
天気が問題になったのは本来俺の様な近場の人間ではなく、遠方からの参加者だ。出てくる時間には確実に雨が降っていたわけだから。
さらには、昨年から近所に某誌の企画モノを置かなくなった。意図はいろいろある様だがどうでもよかろう。
そしてそしてさらにさらに・・・
主催のW氏も近年忙しくなっており、今年は最初に少し顔を出せたのみとなった。
もともと某誌の関連で始まったキャンプ会と言っていい。多くの参加者を集めていたのは、著名人が来ていたためかあるいは企画モノの効果か。主催のW氏がその案内人であったこともあってそのあたりの首尾は整っていたのだが。
このところの不協和音と関係しているのかどうかは知らないが、昨年から様変わりした。それでも昨年はそれなりの参加者がいたが、今年は30人強か。最盛期の3分の1程度であった様だ。
主催側としてはこれぐらいがちょうど良い人数と思う。あまりに多すぎる参加者は捌けない。
多かった頃、あちらこちらに人のかたまりがあった。今年はそれが一カ所にほぼ集中していた。多くが常連の人々であり、全国いろんなところで顔を合わせている連中である。会話も濃い・・・良い意味で。
ただ、俺自身あまりいろいろと動けていないこともあり、濃くなればなるほど入り込みにくくなっているのも事実。そこそこ顔も知られているはずでもこんな具合だから、これからの新参加は容易ではないかも知れない。今回の新参は2人のみ。
知らない人たちの方が声をかけやすく、話の輪を広げやすい場合もある。俺の場合はどちらかといえばそういう方なので・・・
早々と開催の連絡を受けていたが、即参加表明していなかったのはそういう事情もあった。
言い方は悪いが、少々人付き合いに疲れた気もしていた。みんな気の良い奴らで何の問題もないのだが、なんとなく義務的にそこへ行っている様な気がしてきて。
要は近づいてきたときに「行こう」と言う気になれば行く、というスタンスで居たいんだな。別に近いからというわけではなくて、たとえ九州でも四国でも前日に思い立って行く奴だから・・・でもみんなそういう旅をしているんじゃないか?
そろそろ眠いんだがなー。でも待っていないとなー。
そう、アレが来るのである。
讃岐うどん到着!
いやいや、到着したのはI氏なのだが。I氏と言えばうどんなのだ。それにしても今回の登場はなかなかに衝撃的だった。なんたってPSのヘッドライト上にナベ積んでくるんだもの。
そして朝。恒例のアレが・・・と言いたいところだが、首謀者のW氏が居ないのである。
昨日までの大雨で川の流れが速いこともあり、またF氏はどちらかと言えばこのイベントには・・・なので、今年は行われることがなかった。
もう一つの恒例、集合写真におけるカメラの場所取り合戦である。木の脇に一番高い三脚で立っているのが俺のだ(笑)この多くのカメラを一斉にセルフタイマーにするのだが、もちろん多少のズレがあるので、反応するのがなかなかに楽しい。
うむ、なかなかに目線は来てる。
さて、問題は今後かも知れない。
開会・閉会の挨拶で、「来年はどうなるか」というような言葉が主催の2人から聞こえた。いろいろと事情がある。
今回の参加者が少なかった第一の原因は天気だったと思われるが、参加の人たちもそれぞれに転機を迎えているのは確かだろう・・・
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