編集長の執筆室

 春になってバイクに乗ってる方が良いのだけれど、実はバイクは入院させた。それは次号のネタなのでここでは割愛するが。もう一台も動く状態ではない。
 ではちょっと締め切りには早いのだけど、なんとか記事もまとまりつつあるし・・・ということで。



 名古屋駅、金曜日午後10時。久しぶりに連休である。
 しかしこれが春休みでもあり、寝台の取れないこと・・・いつもは土曜日なので楽勝なのだが金曜日は難しい。取れた寝台は解放の上段でしかも列車の端の方。上段は嫌いじゃなくて、荷物置きのスペースが近いので混むときはそれも悪くない。個室でも2階なら寝心地は大して変わらんのだから。



 乗った列車は「はやぶさ・富士」で寄り合い列車だ。
 新幹線が5時間程度で東京〜九州を結ぶ今、夜行列車の需要が減って本数も削減された。かつての王者2本、鹿児島本線回りの「はやぶさ」と日豊本線回りの「富士」が今では連結されて走っている。春休みの金曜日でありながらそれぞれが6両しかなく、かつての威容もどこへやら・・・



 下関で機関車が着け変わるのは昔から変わらない。直流電源から交流電源になるからだ。「鉄」なひとたちはここで我先にとポジション争い。この争いを撮るのもおもしろい。kissやD50とは言え、子供がデジタル一眼レフを持って走り回るのはなんとなく気味が悪い。そういうのは親も「鉄」なんでしょうか。
 このあとトンネルをくぐった門司でもう一度機関車付け替えと、「はやぶさ」「富士」の分離が行われる。

 今日、俺は別府に宿を予約してある。瀬戸内側、すなわち日豊本線の駅だ。
 しかし、俺が乗っているのは「はやぶさ」である。

 何のことはない。博多でラーメンが食いたかっただけだ。



 博多から地下鉄で貝塚へ出て、西鉄宮地岳線に乗る。なんとなく海へ行きたくなったから。
 今回は泊まりなので、予定は詳細に決めていない。時間の融通はなんとでも利く。



 本当は途中で海の中道へJRに乗り換えるつもりだったが、本数に限りがあってうまく行かない。あきらめて津屋崎まで来た・・・が、海水浴場ながめたのみ。この線も新宮から津屋崎の区間が来年に廃止されることが発表されている。
 西鉄のなかでもローカルな宮地岳線は遅いので引き返すのも何だ、とタクシーを捕まえて少し離れたJRへ。本線で大都市間だから速い。




 黒崎から直方までは筑豊電鉄で。
 まるっきり路面電車の姿であるが、一切軌道は走らずの鉄道。しかも完全複線で直線が多い。利用客も多い。走っているのが比較的都会であるから車窓はあまりおもしろくないが。



 そして直方からは平成筑豊鉄道で。
 ここは国鉄線を3セク転換したものだ。



 かつて筑豊は石炭の産地として栄えていた。そしてこの近辺には細かく鉄路が張り巡らされていた。
 石炭から撤退し、かつての栄華は過去のものとなったが、比較的鉄路は残されている方だろう。




 列車は鉄橋で川を渡りトンネルで山を抜ける。短い区間だが景色は良い。



 行橋でJR駅に着く。時間はそろそろ夕刻へ。
 近代的なJR九州の特急ソニックが突っ走る。



 別府は温泉祭りが開催されており、この日は立ち寄り湯が無料となっていた。
 駅前温泉と竹瓦温泉をハシゴしてゆっくり・・・いや無料なので結構混んでたけど・・・

 別府で少し考えていたことがある。
 レンタルバイクを見つけられないかということだ。

 別府と言えば地獄巡り。そしてその近辺には秘湯がいくつもあり、林道もまた存在する。
 オフロードバイクは無理だろうが、ミニバイクぐらいはないだろうか・・・



 大分といえば関サバに関アジ。城下ガレイもそうか。
 サバは高いし量が多いとさすがに怖い。関アジ1尾活け作りで2000円。付け出しからして美味しい魚の煮付けで大満足。


 翌朝、雨だった・・・

 バイク屋に交渉するつもりだったレンタル、この雨であっさりとあきらめた。



 大分から九州を横断する鉄路が2本ある。今回は久大本線に乗る。
 四国からやってきたディーゼル特急は九州風味に改装されており、本州や北海道の特急とはひと味違う趣あり。



 本線と言っても沿線の都市は少なくあとはローカルな横断ルート。ゆっくり車窓でも見ながら。
 今回、寝台列車の中以来パソコンを開いていない。このために用意したミニノートも外付けバッテリーも活躍する場がない。カメラが大きくなって押し出されたノートパソコン、執筆が目的だったのがそれも押し出された形になっている。



 乗り継ぎは鳥栖だが手前の久留米で下車し、駅前でラーメンを。
 久留米のラーメンは旨いと思う。



 鳥栖からは「かもめ・ハウステンボス・みどり」の3本混合列車に乗る。俺が乗るのは「みどり」で佐世保行き。長崎行きの「かもめ」を肥前山口で、ハウステンボス行きを早岐で分離して行く。こうすることでダイヤを集約し、本数を多くしようと言う手法。客が減って機関車の動力費を抑えようとした「はやぶさ・富士」とは違う。



 佐世保からは松浦鉄道を利用する。これもまた3セクである。
 この地域へは一昨年、バイクを持ってきている。バイクで走るつもりだったのに天候その他の理由でハイエースに積んだまま回ったそのあたりだ。



 九州も西の端の方となると、春も早く桜や菜の花が咲き乱れる。



 日本の鉄道で最西端は、ここ松浦鉄道の「たびら平戸口」である。
 列車交換の待ち時間もあり、じっくりと最西端の駅をカメラに収める。



 意外と海に沿わない松浦鉄道。車窓からは時折見えるのみだ。
 わりあい周辺の利用は多いようで業績は悪くないと聞く。最西端駅という武器もあり、末永く走ってもらいたいものだ。こうした末端の鉄路、とりわけJRではない会社線は経営が難しいだろうが、端っこへ行きたがるのはライダーだけではないだろう。



 陶器の有田から再び特急で博多へ帰る。到着18時01分。



 飛行機で帰ることにした。
 福岡は駅から空港まで地下鉄でわずか10分という好条件。携帯電話のiモードで簡単に予約できる飛行機は便利で、席が確保しやすい。
 20分遅れたボーイング737−500はセントレアに20時20分到着。さすがに速い。高速バスは21時10分、駅に着いたのは22時6分だった。

 ところが。
 よくよく計算してみると・・・

 新幹線で一番速い500系のぞみが18時23分。名古屋駅には21時48分に着く。関西線は4分接続でも乗り継げる隣のホームで・・・そうなると到着するのは22時12分なんだな・・・

 そのー何だね。

 高速使っても5分しか変わらん、というようなもんかな・・・

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