第43話 血ぃ吸うたろか

 涼しくなってきた。山へ行くにはちょうど良いだろうか。
 つい先日までメッシュのジャージ1枚で走っていたわけだが、10月の声を聞けばそうも行かない。久しぶりのエンデューロジャケットを引っ張り出す。雨が気になる。ゴアテックスであるからして雨の問題は無さそうなものだが、洗った後に防水スプレーがかけてないので表面素材が水分を吸ってしまうから。

 参加表明はしていなかったので置いて行かれると困るから少し早めに出てみるが、山々はほとんど雲に隠れている。急に涼しくなっているからややキャブが薄く感じる。夏場に滅多に100度を超えなかった油温計が、105度近辺を表示する。本来この程度が普通なんだろうが。

 集合地点には1番乗り。徐々にみんあ集まってくる。相変わらずSJ45系が最大派閥なのは変わらず。う〜ん、この面々では分が悪いぞ・・・
 山へ着く頃には、細かい雨が降り始めていた。



 雨で濡れた草ぼうぼうの道を進む。なかなかにハードでペースが上がらなくて好都合。
 ここへ来て、非常に調子がよいことに気がついたバイク。雨交じりで空気密度は高いから、本来やや濃いめと思われる現在の仕様がうまく合致しているか。トラクションが良く、滑る気配を見せないのでこういう道を何事もなく走ってしまう。これは新発見だ。マフラーの抜けを良くしてキャブの口径を上げた場合、高速型になると考えていたが、なかなかどうして、力強くスムーズにすることは可能な様だ。
 試しに仲間のSJ45と乗り換えてみたが、特性の違いはよくわかった。馬力自体がどうこうというより、特性の範囲を変えて走りを変えるというところだ。なんとなく楽しくなってきた。



 ・・・が、こんな道を走っているとね、こういうのが居るのさ・・・

 いくらなんでもヒルもケブラー素材を突き抜けては行けんだろうが、なかなか取れない。この時期なので完全装備だから吸血されることはなかったが、前回は犠牲になった人が居たな・・・



 ということで林道抜けて。おみやげいっぱい・・・ブッシュガードの内側にこんない溜まると言うことはどういうことよ・・・



 林道のおみやげは草木だけじゃなくて、こいつも・・・
 なんとなくブーツを脱いでみたらラップしているところにかくれていた。ここも吸血被害はなかったが、こいつらはなかなかに生命力が強い。踏みつぶして丸まってしまっても、かなり時間が経ってからまた動き出していた。恐るべし軟体動物。

 もともとヒルが多いことは解っていた地域を走っていたのだけど、やはり雨模様だから多かったのかね・・・
 あんまり多いのはイヤだなあ・・・

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