File13 夏は椿油の香りと共に

 毎年、6月の終わり頃になると、住宅街の中に突然立ち並ぶ派手な幟。
 7月の名古屋場所に合わせて、各地の相撲部屋がこの地方に集結します。まだ梅雨も明けない頃から立ち並ぶ幟は、夏の訪れを感じさせるものでもあります。
 尾張旭にある普通の会社ですが、場所中は社屋の一部で宿舎、稽古場を提供しています。「稽古は中に入ってご自由にご見学下さい」…ちょっと入りづらかったので外から眺めるのみですが。この阿武松部屋は、今現在幕内力士は一人だけだそうで。それでも多くの若手が頑張っていますね。
 場所中の宿舎、稽古場は、この地方の会社やお寺などが提供しています。長久手のとあるお寺もそうですし、それこそ愛知県体育館がある名古屋の北部から近郊にかけては、いくつもの部屋が集結しています。昨年などは、名古屋市内の商店街の中で空き地が稽古場に使われていたこともありました。普段はあまり見ることの出来ない相撲の稽古風景。名古屋近辺ではこの季節ならではのものです。
 千秋楽に向けてあと少しのこの日、東海地方にも梅雨明け宣言が出されました。場所が終わる頃、ジリジリと照りつける太陽とともに、本格的な夏がやってきます。 
写真・文 : 河村 敬

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