編集長の執筆室

 最近集中できないのである。

 仕事から帰ってきてからパソコンに向かうとネットを彷徨って終わり。文書を書く気力が沸いてこない。昔は会社で昼休みなどにも書いていたりしたのだが、最近は休み時間も仕事に追われている。
 じゃあ休日はというと、家にいると何もしたくないんだな、これが。

 で、集中して文書きに没頭できるところはないか。

 それがなぜか、私の場合は電車の中だったのである。
 もちろん満員電車で立ちながらとか、ロングシートに横座りでパソコン開けるモノではない。特急電車に限られる。

 そんなわけで年に何回か、パソコン担いで電車に乗りに行く日曜日が存在する。近場で済ますときは近鉄特急の大阪往復だったりするが、いろいろなところへ出かけていくことがほとんどだ。
 もちろんバイクではないから関係ないのだけど、そんなこともBACKtoOFFroadの別の一面であるということで紹介させていただこうかと思う。





 さて、どこへ行こうか。仕事の具合があいまいで、行けても日曜日の日帰りか。
 そう思いながら迎えた週末土曜日。夕方仕事を終えた時点で最終バスに十分間に合う時間だった。とにかく近鉄で名古屋駅へ向かう。
 JRの緑の窓口前で備え付けの時刻表をめくり、寝台列車を探す。春の改正で「あさかぜ」や「さくら」がなくなってしまい、とても寂しくなった時刻表。その中でひとつの車両にターゲットを合わせた。

 サンライズ。

 電車特急で、個室を中心とした構成の新しい世代の寝台特急だ。現在設定されているのは「出雲」と「瀬戸」である。
 ところがこの車両、走る時間が遅すぎて名古屋には止まらないのである・・・



 こいつは無理だ、となるところ、ウルトラCを見つけ出した。静岡発車時刻は0:20、これから新幹線で静岡まで向かえばいい。
 名古屋駅で「サンライズ出雲」の静岡〜出雲市間の切符を抑え、ほぼ最終となる「こだま」で静岡へ。
 時間はたっぷりあるので夜の駅前に出て軽く一杯。不惑のチョンガーが一人酒を飲む姿など見られた物ではなかろうが、本人いたってご満悦。



 日付が変わったところでホームに上がり入線を待つ。ベージュとマルーンの国鉄色っぽい色を塗り分けたぬーぼーとした面構えの電車が入ってきた。
 自室はシングル、2階建ての下段になる。もぐりこめば窓の高さがホームの高さ。ほとんどレールの直上に寝ているようなものか。
 これがしかし、少し寝にくい・・・と感じたのも一瞬のことだったようだ。途中浜松に停車したことも気付かずに。



 朝、岡山駅に入るころに室内の時計と車内放送で目が覚める。6:20、普段の生活そのものの時間だ。
 岡山で「瀬戸」を切り離し、7両編成となって伯備線へ向かう。倉敷から車内販売があるのでロビーへ弁当を買いに。車内販売の女の子がミニスカートでいすに座っているので(略



 自室へ戻ってThinkPad X30の電源を入れる。サブバッテリーを使って4時間ほどが稼働時間になる。もっと延ばせるらしいのだが、やはりパフォーマンスはそれなりに求めるので。
 写真などはあらかじめほとんどリサイズしてある。ビルダーに並べて書き始める。出雲市まで3時間弱。ここまででほぼ70パーセントは書き上がる。完全な個室なので環境は抜群だが、ソファーにならないベッドは少々姿勢が保ちにくい。
 よく見れば100Vの電源もあった。ひげそり専用とはなっているが、パソコン程度なら駆動できるのではないかな?

 普段ならちょっと調べ物、と、携帯でネット接続することもあるのだけど、ここは少々環境がよくなくて携帯もとぎれがち。必要なところは帰ってからだな。



 電車は出雲市に到着した。さて、どうしよう。
 とりあえず出雲大社へ行くことに。以前にも来たことはあるのだが軽く厄払いでもしておくかと前厄の男。



 大社、と名乗れる神社は数限られている。神社の中でも別格である。
 ただ、中はそんなに広くない。正門からは遠いけども。バスは横付けする停留所もあるのだけど、そりゃあ正門から入るもんでしょうよ。
 さっさとお詣りするが、出雲大社には独特の正式参拝がある。

 二礼・四拍手・一礼

 である。
 ちなみに大神宮こと伊勢神宮などでは

 二礼・二拍手・一礼

 である。出雲大社の四拍手というのはなかなか興味深い。



 参拝が終われば少し腹ごしらえ。出雲そばをいただこう。
 ネイティブにはざるそばは存在しないようで、割子そばが主な様である。タレはぶっかけである。わさびは使わず、辛めのタレで。



 ここから松江まで出雲電鉄で宍道湖の北側を行くことにする。
 1時間弱、ロングシートに揺られながら、爆睡。電車は心地よい睡眠の場でもある。このバランスが難しい。昼寝するかパソコン開くか。この路線は普通電車だから前者になる。全然車窓を見ようという気がないってのが良いのか悪いのか。



 松江には温泉がある。本当は近くに有名な玉造温泉があるのだが、行くのが面倒なので。なにぶん日帰りだしね。
 松江しんじ湖温泉は出雲電鉄の同名駅界隈にある。宍道湖に沿った地域なのだが、ここでの入浴できるところは限られている。

 水明館というホテルでは、昼食を食べるとお風呂に入れる。今日は「しじみ茶漬け御膳」で。1580円の茶漬けってのもなんだが、温泉とセットと考えれば決して高くない。お茶漬けというが、蜆のだし汁でいただくものでなかなかのもの。いろいろ小鉢お造りなどもついてこの点でも悪くはない。バイクで来てももちろん問題なく、オススメである。
 そして温泉。日曜日の昼間、独り占めである。こうしたシステムでもあり、利用者が特に多いわけではないようだ。お湯は単純だが露天風呂も良い感じでこれまたオススメなのである。



 さて、松江から「スーパーやくも22号」で伯備線を引き返す。今日初めてのビール・・・いかんてば。結果的に2時間半は爆睡して終わり。執筆するには良い環境なんだけどね。寝るにも良い環境なのさ。
 ただ、古い381系にはいささかまいった。足腰が痛くなってきた。



 岡山からは「のぞみ26号」で。
 今や新幹線ダイヤの大半が「のぞみ」になってしまったが、「のぞみ」らしさという意味では、500系の限られたものを選択するのが常識というもの。何が哀しゅうて「ひかり」と同じ700系に乗るかってーの。なんたって作りが違うのである。そうさね、トレール車とEDレーサーの差って感じですかね。やはり300km/hを誇る車両ってのは究極の美しさがある。バイクも然り。
 500系はシートも素晴らしい。バケットシートで腰の安定が良く、快適にパソコンに向かう。



 今日の日が沈む。もうすぐ名古屋に着いてしまう。あれー、完成しなかったぞ・・・

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