File53 削っちまえ

 バイクの外装ってたいていはプラスチックですよね?
 プラスチックと一言で言ってもいろいろな種類があります。ABS樹脂なんかが自動車・バイク用としては代表です。
 ABS樹脂は、塗装の乗りも良いので、ロードバイクなどのカウルに使用されることが多いです。量産用なのでアフターパーツなどには向かず、その場合はレジンをガラス繊維やカーボン繊維などに浸透させたFRPを使用されることが多いですね。

 ABS樹脂は、丈夫ですが衝撃を与えると割れます。転倒がつきもののオフロード車にはちょっと不向き。
 そこで、オフロード車、とりわけレーサー系にはポリプロピレン、いわゆるPP材が使われています。

 要するにポリバケツですが(笑)

このPP、弾力性があって、割れにくい。また、素材に色を付けることが出来るのが特徴です。ABSは基本が黒ですから色を塗りますが、PPは素材に色を付けて地色で勝負です。

 ところが、裏を返すと、PPには色が塗れないという弱点があります。弾力性があり、表面にツヤがあるので色が乗らないうえにはがれやすいというのがその原因。



 PPって、色あせしませんか?
 やや蛍光色っぽいこの色の場合、風雨に当って表面が白く荒れてしまっています。いわゆるところの風化したというやつです。光劣化もあり、ステッカーの跡がはっきりと出てしまいます。
 これをなんとかしたいのですが、色が塗れない。補修=交換ということになるのですが、入手しにくいモノもあります。

 ではどうする?



 PPは素材に色が付いている。ということは、芯まで同じ色です。風化しているのは表面。

 削ってみましょうか。

 プラスチックを削るのは簡単ですが、何で削りましょうか。
 刃物で削ると、組織を切り取っていくので均一になりにくい。ヤスリで削ると表面をひっかいていくので荒れてしまう。

 以前紹介した、アレの出番です。

 ステンレスのスケールで削ってみました。
 すると、風化した部分がうまく剥がれ、きれいな地色が出てきました。
 削りすぎないように気をつけて撫でるように仕上げていくと、表面は素材のツヤも残ります。



 部分的に削って様子を見ます。表面は、これも以前紹介したwakosのスーパーハードを塗ってみました。
 冬場の3週間、雨に濡れること数回。毎日日に照らされます。



 新品と比較してみると、さすがに光沢が違いますか・・・色の違いは年式が違うので比較出来ませんが。


 ・・・って、新品手に入ったんかいっ!・・・


 そんなわけで実用しませんでしたが、いざというときはPPは削っちまえ、と。

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