第十七回 YAMAHA TDM850

 YAMAHAのTDMは、今は900ccになっています。
 今回は、レンタルバイクで借りた850cc、その排気量の中で後期型になるモデルです。



 スタイルは特異ですが実はオーソドックスなポジションで出来ています。カウルを取っ払えばごく普通のツイン車に見えると思います。
 ツーリングマシンとしてその位置づけを与えられたこの車両は、やや重い様な感触を覚えますが、それが安定感に繋がっているようにも思えます。



 エンジンは前傾した並列2気筒DOHC5バルブで、270度だったかの不等間隔爆発です。
 このエンジンはスーパーテネレ(750cc)やTRXにも使われています。もちろん水冷で大型のラジエーターを持ちます。

 エンジンについては素晴らしいの一言です。

 極低速からレッドゾーン直前まで、どこからでも力強く回っていきます。トルクがあるわりには変動が少なく、とても印象の良いエンジンです。



 左右非対称のヘッドライトが特徴です。昆虫のような顔が目を引きます
 左側はロービームのプロジェクターランプ、右はハイビームです。通常は左だけが点灯になります。2灯ながら通常片側しか使えませんから明るさは今ひとつです。プロジェクターですが、照射範囲も広くない。ヘッドライトはチューンが必要か。



 ブレーキはフロントに2枚。4ポッドの対向キャリパが左右に奢られています。SUMITOMOの文字が見えます。いわゆるスミンボ・・・いやヤマンボだったっけ?
 効きは申し分なく、やや大きめの車体をしっかりと受け止めてくれます。



 タイヤはフロントに18インチ、リヤに17インチですね。オフロードタイヤは履けないかと。リヤはBMWのRなどと同じサイズですが、フロントの18インチがネックになりますね。
 まあオフロード用途はそれほど考えては居ないでしょうが・・・



 リヤサスは2種類のばねが組み合わされています。上(黒)が太く、下(黄)が細い。これは面白い構成ですね。プログレッシブレートを意識したものか。
 このリヤサスですが、セッティングの問題かあるいはへたっていたか、動きに不満が残りました。それなりに走り込むとリヤが飛ぶ傾向にありました。オーリンスなどに交換してみたいですね。
 ちなみにリヤのブレーキマスターはbremboブランドです。



 シートがアンコ抜きされていたのがなにより残念でした。私の体格(身長177cm)ですと、シートが低すぎて窮屈なのと、長距離走ると尻が痛い。幅は十分ありますから、ノーマルなら快適なシートなのだと思われます。
 タンクは20リッターを飲み込みます。幅が広いが収まりは悪くありません。燃費はあまり良くないように思います。北海道でもリッター20kmに到達しませんでした。航続距離300km以上確保していますからこれで良いのでしょうね。



 メーターはシンプルです。回転計のレッドゾーン8000回転はややもの足りません。エンジンの感触からして、もっと回せると面白いと思います。
 チョークノブが昔の4輪車みたいなマークなのがツボです。それ以外は何の変哲もありませんが不自由もありません。
 エンジンがエンジンですから、メーターは簡単に右を向きます。車体がそれを許容する強さを持っているから出来ることでしょう。



 スクリーンは小型で防風効果はそれなりです。ハンドルはアップタイプ。

 走行インプレとしては、中高速でのツーリングにはもってこいという感触ですね。峠道などではリヤサスの動きに不満を感じたのですが、これは解決可能でしょう。もちろんメーカーでもう少し詰めていただけるともっと良くなるでしょうが。
 兎にも角にもエンジンのすばらしさがこのバイクの最大のポイントだと思います。

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