第27回 国道155号線

 大都市にはいくつかの環状線があることが多い。列車であったり道路であったり。
 環状道路も小さくは県道レベルから、大きく外回りする国道もある。

 100万都市の名古屋にも環状線はあり、内環状として県道が、外環状として国道302号線がある。
 そしてさらにその大外を回る道がある。名古屋市の周囲に位置する都市を結んで回る国道155号線がそれだ。



 伊勢湾に面した名古屋の場合、外回りは完全に周回するようにはできない。以前に走った国道302号線もそうであったように、さらにその外側である国道155線も両端が海の手前で終了している。
 西の起点となるのは海部郡弥富町で、国道1号線に接続している。海を渡って周回させる可能性を感じさせた302号線はその両端が海まで届いていたが、そんな可能性のない155号線は端になりうる街を両起点となっている。



 大都市外周とは言え、完全に郊外となるこの地域。周囲には特段何かがあるでもなく、淡々と道は続いている。快走できるかというとそうでもないのだが、とりたてて不快な交通状況でもない。



 ルートは弥富から一宮へと回り込む。路線の西側としては大きな街になる。近年鉄道駅も改修され、高架線となって、より都会的に感じるようになった。



 高速道路も近年発達してきたこの界隈、名神高速と東海北陸道を次々にくぐっていく。
 もっとも名神開通当初はそうした計画も明確ではなかったのか、インターチェンジとジャンクションの番号が空きが無く、25ー1、25ー2と、ダッシュナンバーが2つも続いている箇所は全国的にも珍しい。



 風景はやや都市近郊的になってきたが相変わらず淡々と走り続ける。小牧から春日井へと、徐々に北の方へ回り込んでいく。
 環状線があるということは中心から周辺への道路もあるということで、国道だけを上げてみても起点の1号線、西へ向かう22号線、北へ向かう41号線、19号線と次々交わって行く。環状線はそれらの道路の交通とは少し違った、ローカルだけの交通と言えようか。



 ここまで都市近郊の淡々とした風景の中を走ってきたが、瀬戸へ向かう区間で川沿いを走ることもある。しかしそれはほんの一時、すぐにまた変わらぬ姿になる。どうにもネタになりにくい道だ・・・



 愛知万博が近づき、最寄りの駅である八草が大きく変わった。愛知環状鉄道の簡易な乗降場にすぎなかったものが、大都会のターミナルのような姿になろうとしていた。
 イベントのためとして開発を行い、その後は地域のために活用する。そいうものなのだが、もとよりすぐに活用される環境ならばイベントを開催(しかも世界規模の)できるスペースにならないのだから。
 蛇足ながらこの近辺にはかなりキワドイ林道がある。誰でも通れるところではないし、間違ってもこんな大型車では通れないけども。



 徐々に東へと回り込めばそこは車の町、豊田。いくつもの工場がところ狭しと立ち並ぶ。豊田市だけにトヨタ車ばかりかといえばそうでもないのだが、それでも絶対数は非常に多い。トヨタあってこその豊田市、多くの市民がトヨタおよび関連企業の仕事をしている現状、それがあたりまえのこと。
 昔はトヨタ車でなければ入場できなかった工場内、今は独占問題や何やでライトバン型の車両ならどこのメーカーでも可能になった。企業の繁栄という意味では制限してあたりまえと思うのだけどね。

 起点と同じ国道一号線をクロスした。さらに道は海へと向かう。
 刈谷から碧南へ、夕暮れの近づくなかを南下する。なんとか海まで、と思ったが日が沈むまでにたどりつけなかった。全線通じて言えることは、流れが遅いと言うこと。快走をイメージしてはいけない。



 海の近くまで来たが、実はまだ先があった。
 いわゆる産業道路が、今では国道155号線バイパスとして区分されている。自動車専用道路であり、国道になる前から確か原付はダメだったと記憶している。流れの速い道路でゆっくり走っている場合ではないから実際小型車両では危険この上ないからそれも当然か。



 せいぜい知多までか、と思っていたら常滑まで続いていた。東海以降は247号線と重複区間になるので無理に延ばす必要もないのだが行政とは複雑なようで・・・

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