第十五回 BMW F650GS−Dakar

 「鈴鹿モーターサイクルスクールで試乗会がある」と情報をいただきました。
 BMWあたりが試乗車を出す、ということで、これは行かねばならぬ、と。



 鈴鹿サーキットの隣接してモーターサイクルスクールがあります。
 大型二輪免許が自動車学校で取れるようになる以前、ここは大型車の練習場として親しまれてきました。

 午後から出かけたのですでに試乗会は始まっています。今の世相を反映して大型車が主です。



 まずは受付を済ませます。
 今回、普通二輪免許があれば大型にも乗れる様になっていました。クローズドコースですから問題ないわけですね。ただし免許の確認も何も無し。一般的に良くある所有車両の記載などもありませんでした。メーカーが主催する拡販をねらった試乗会とは違うためでしょうか。



 エントリーカードは試乗申し込みに使います。
 時間のある限り何回でも乗ることが可能で、一回ごとに人数が決まっているので毎回申し込むわけです。今回私は2台に試乗しました。1台はBuellのロードマシン、そしてもう一台がDakarです。



 独特のスタイルが目を引くDakarは、F650のモデルチェンジ版であるとともに、生産をそれまでのイタリア・アプリリア社からドイツ・BMWの工場で行うようになりました。それを機に「funduro」から「GS」に名称を変更しています。
 Dakarモデルは、その販促のため(?)に参戦した通称パリダカ優勝車両のイメージで作られ、前輪に21インチを履きオフロード性能を高めたモデルです。



 初期はシンプルでしたが、今はこんなに派手なグラフィックに・・・
 ガソリンタンクは通常の位置にはありません。これはダミーです。本来のガソリンタンクはシートの下にあります。容量の割にスリムに作れるので良いですが、プラスチックである上にガソリンキャップがありませんから、バインドシステムのタンクバッグも使えません。



 車体はスリムで、またがってすぐにBMWらしいポジションであることを感じます。足つきが良くないのはしかたがないか。
 フロントに21インチを採用したことで、オフロード向けタイヤの選択が容易になりました。リヤは17インチなのが惜しいですが、このクラス用の21/17サイズは優れたモデルがあるので問題ないでしょう。
 BMW車の中では特異なもので、フロントサスはテレスコピック、駆動はチェーンと、一般的な構成です。



 エンジンはfunduroのロータックス製エンジンをベースに新設計されている様です。キャブレターではなく、電子制御燃料噴射となりました。マフラーは両サイドに出ていますが、右側の穴が大きく左側が小さい。
 後で見たら、普通のGSの方は右側の穴がありませんでした。これはなぜだ・・・

 キャリヤはこれも積みにくそうですね。この車両に箱は付けないと思うぞ、普通。



 さて、試乗の順番がやってきました。プロテクターの装着が義務づけられます。
 車両は早い者勝ちです。早々にDakarをゲット。

 走行は先導の教官について走る形式です。


 ・・・が。


 この教官、ペースがかなり速いです。



 こんな感じで結構バンクしていますね。乗り慣れない車両で走るだけにかなりスリリングではあります。実際それなりに乗り方の解っているオフ車Dakarでは問題ありませんでしたが、久しく乗っていなかったロード系それもかなりレーサーっぽいBuellではこのペースにとまどいました。

 Dakarは21インチであるため、ハンドルの自然切れ込みは少ないようです。funduroより乗りやすいのではないでしょうか。
 エンジンはパワフルで、下から上まで力強くスムーズに回りました。わずか2馬力の違いでしかありませんが、インジェクションの恩恵か別物に感じます。まるで排気量差があるように感じるほど。



 こちらは通常版のGSですが、これには乗りませんでした。比較できれば良かったのですが。あまり試乗人気がなく、逆に教官は好んで乗っていたのが印象的です。



 他の車両も見てみましょうか。
 BMWからは他にもR1100RTなどもありましたが、同じF650のスカーバーもありました。ベルト駆動のロード風味付け車両で、これも面白そうです。またオフ車では他にXR250もありました。結構人気でなかなか空かず、時間切れで乗ることが出来ませんでした。

文 : 河村 格  写真 : 針口秀治、河村 格

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