公道を走らせるオフロード車両には、いわゆるトレールタイヤの他にFIM公認のエンデューロタイヤなどが使えます。
ダンロップD605やブリジストンTW301と言った定番トレールタイヤの他は、ミシュランT−63やピレリMT−21などが一般に人気ですね。これらのタイヤはエンデューロ用でありながらタイヤの持ちが良く、舗装道路を多く走る公道車両に向いているものです。多彩なサイズもあり、いろいろな車両に適合するというのも人気の所以でしょうか。
そんなところへ、新しくエンデューロタイヤが発売されました。
ミシュランのクロスAC10と言う新しいタイヤをテストしてみます。
このタイヤはサイズが限られており、250ccクラスに合うものしかありません。今回はkawasaki KLX250に履かせての走行テストです。
販売価格は2本で1万円少々と、国産タイヤに比べても安価で流通しています。
ブロックは小さく、間隔が広い。またかなりのハイブロックです。
トレッドにはミシュランのメーカーイニシャルでもある「M」字状のサイプが刻まれています。
このタイヤは回転方向の制限がありません。減ってきたら方向を変えて組み直すことが可能です。異形のブロックながら対向して同じ形状が配置されているので出来ることです。
前輪のトレッド配列です。かなり横方向のグリップを意識していると思われます。右は比較用にピレリMT−21で、これは摩耗が進んだもので単純比較は出来ませんが、ブロックの大きさが判ると思います。
後輪のトレッド配列です。これも横方向のグリップは強く意識されています。同社のT−63は後輪が縦方向を重点的に置いたものであったために横方向が弱いきらいがありましたが、クロスAC10は期待できます。
同じく比較用のMT21は幅が30mm拾いのでわかりにくいでしょうか。比較するとMT21は普通のトレールタイヤに見えます。
では、以下、オーナーS氏と私Kによる走行インプレです。
1.高速道路
S : いや〜心配してたんですけどね、スピード上げても大丈夫でしたね。
K : ぬあえkmぐらいまで行っても何も起こりませんでしたね。特に前輪は何もないですね。
S : 後輪はちょっとヨレますかね。
K : ちょっとね。今日は横風なかったから判らないですけど、強風だとどうでしょうね。
S : まあ普通に走る分には大丈夫ですね。
2.林道
K : これはとっても良いですね。すごいグリップ力ですね。
S : 乗りやすいでしょ?
K : うん、乗りやすい。倒しこんでも安定してるし。
S : たらったら〜と走れますからね〜。
K : EDタイヤってより、林道ツー向けですね。
S : このブロック間隔ですからね。土は詰まらないからちゅるりら〜入っても大丈夫じゃないすかね。
K : ブレーキも安心して掛けられましたからね。
S : そういやK氏、何かやってましたね(笑)
K : 意識的にブレーキ思いっきり踏んづけて横向けてみたんですけど、決まらなかった。滑らすのは逆に難しいですわ。
3.雪
左:AC10 右:MT21
S : 雪の上も問題なしでしたね。
K : あんまり走らなかったんでこれはS氏お願い。
S : しっかり噛んでましたよ。
4.舗装の峠
K : これは怖いわ〜(汗)
S : うーみゅー、峠は良くないですね。
K : とつぜん腰砕けになるんですよ、後ろが。
S : やっぱ後ろですね。
K : あんまりバンクさせるとちょっと嫌らしいなあ。
S : アクセル開いてれば良いんですがねぇ。
5.耐久性
K : そんなに減ってないですね。
S : これで500kmぐらいですか。D603よりずっと良いですね。
6.総括
K : 良いですね、このタイヤ。欲しいわ〜120サイズが。
S : 400に110ではねえ。
K : 軽量車向きなのかな。重量大パワーだとどう出るかね。
S : 大きいのはT63にしてってことでしょ。
K : てーとこでしょうね。
S : 日帰りツーリングならお勧めですね。
テスター : 佐藤賢一、河村 格