第十三回 クワド
冬に山に行くと言ったらスキーかボードでしょう。バイクで走っているよりよっぽど健全と思いますね、実際。
雪の上をバイクで走るってのも止めはしませんが、他の交通に迷惑にならないようにしてほしいもんです。
郵便や新聞と言った、職業上のものは必要な走行として、遊びで乗ってるバイクは安全なところにとどめて欲しいと思うわけです。
そういう安全な場所に限っての話としますが。
雪の上を2輪で走るのはずいぶん難しい。滑れば転けるのはさけにくいですから。
じゃあ転けないのはどんなのだ、となれば、まあ4輪なら滅多に転けないでしょう。安全な場所でですよ。
では、4輪にしましょうか。
4輪と言っても普通の自動車ではありません。いわゆるクワド、オートバイベースの4輪車です。
一般的にはナンバーのとれないこうした車両は、レース専用であったり、農耕車としてのものであったりします。
このクワドを雪の上で走らせることが出来るところがいくつかあります。
ここは看板が示すように、歌手の加山雄三氏が経営するスキー場、「加山キャプテンコースト湯沢」です。
ここはオーナーの遊び心が利いていて、スキーやボード以外にもいろいろな遊び道具があります。以前はスノースクートもあった様ですが、今はなくなっていました。
リフト券売場で「乗り物券」を買います。500円と手ごろです。
受付で登録し、ヘルメットを借ります。
専用のエリアには、クワドのほかにスノーモービルもありますが、なぜかスノモは子供専用です。
用意されているクワドは、ホンダの90ccで、スーパーカブベースか。
レジャー系の乗り物はなぜかアクセルがレバーですね。なぜでしょうか?
タイヤはブロックタイヤというかバルーンタイヤですね。泥寧地なら効き目があるでしょうが、雪に対してはどうでしょう。
さて、走らせましょうか。時間は10分間です。
ギヤはセカンドに固定します。自動遠心クラッチですからオートマ同然です。ローだと吹けすぎ、サードではレスポンスが悪いとか。
どうもスノーモービルの走りが頭にあり、リーンインの内足加重で走り始めてみましたが、うまく曲がりません。
では、と、アクセルをゆるめて加重移動、一気にリヤを流す風にしてみます。たしかに簡単に回りますが、あまり面白くありません。
アンダーパワーだからしかたないか?
いろいろやってみた結果、やや外側に加重で、ハンドル切ってからアクセルをフェイント、即全開・・・でうまくドリフトする様です。
10分間、短いようで結構楽しめました。500円としては悪くないですね。
ここにはクワドは1台だけなので、何人もで走ることは出来ません。もちろんこういったところで競争など許されないですけどね。
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