2003年10月25日(土)〜11月5日(水)、

千葉県・幕張メッセにて

「第37回東京モーターショー」が開催されました。

昨年は商用、今年は乗用・2輪車部門の開催。

「いま挑む心。Challenge & Change ―希望、そして確信へ―」

このテーマを掲げて14ヶ国270社が参加。

今回は2輪車のオフロード部門を軸に

現在と未来を考えていきたいと思います。

HONDA
http://www.honda.co.jp/motor/
今年、ホンダの動きは静かだった。

外装を一新したXR系統が出るものの、

思いの他、話題にならなかった気がする。

展示にはモディファイされたXR250が有るが、

オフロードよりも原付やスクーターへの依存度が

見て判るほどだった。


ここ数年はストリート指向が主流だから

この辺りはやむを得ないかも知れないが、

国内最大のシェアを誇るメーカー。

幅広いユーザー層を抱えられる技量があるのに

同系他車を増やしていくことに

疑問を感じることは多い。

先日発表になったCRF系統に期待を馳せたい。

Kawasaki
http://www.kawasaki-motors.com/
昨年のスズキとの業務提携によるMX車共同開発や

今年のMotoGPフル参戦など

レースシーンで話題が絶えなかったカワサキ。

市販車部門では昨年末のKSR110販売が唯一。

20年振りと言われるコンセプトモデル登場など、

以前から得意とする大型スポーツモデルに

今年も相当な意欲が有ると見える。

それでも会場の一角にはオフロードの姿も見えた。


今年溝口哲也選手によるIA125クラスを制覇した

スズキと共同開発車のKX250F。

エンジンはスズキ、車体はカワサキ。

外観上はカワサキ車のイメージが強い。

市販レーサーもカワサキ車の方が多いらしい。

東大野球部の投手として世間の話題になった

竹本恵氏の海外ツーリング仕様のシェルパが展示。

渡航先のオーストラリアでは

シェルパは車名を変えて販売されており、

外観は豪州仕様そのままである。

SUZUKI
http://www.suzuki.co.jp/motor/

国内販売で唯一の中間排気量のオフローダー、

DR−Z400Sを持つスズキもストリート仕様を参考出品。

オフロードとは一線を課すが

空冷DR系統を用いた「ST250」が登場。

幾つかのバリエーションモデルの中には

オフ指向の設定もあり。

すでにグラストラッカーなどを持つが、

そちらとは異なる路線になるであろう。


モーターショー開催初日と同時期に行われた

全日本MXにRM−Z450が登場したが、

この会場では2サイクルのRM250、

IA250クラス優勝車とWGP参戦車が展示。

XRM0(=KX250Fのスズキ版)、

市販のRM−Z250はその姿を見せなかった。

この辺が「共同」の難しいところなのだろうか。

YAMAHA
http://www.yamaha-motor.jp/
他の国内メーカーとは異なり、

試乗車を置かず、展示のみに絞ったヤマハ。

ブース自体もスモークガラスで囲まれ、

デザインセンスが際立った、独特の雰囲気。

展示車も市販予定、参考出品、

輸出車に限定されていた。


ヤマハはオフロードが盛んだ。

YZ450FやWR250、TTR−125LWE等

レーサーや逆輸入車としての人気は高い。

そして逆輸入車扱いになるであろう

XT660R、XT660Zが国内初展示。

インジェクション採用とはいえ、

ベースはXTZ660やXT600に有る。


そしてXG250、通称「Tricker」や

原付仕様の「Chivicker」を展示。

XG250はSEROWベースであろう

ユニットを搭載しており、現実味は高い。

トレイルとトライアルの中間的位置は、

ある意味で次世代に繋ぐ

「SEROW」に成るのだろうか。

その他

外国メーカーでオフロード系統は

BMWとKTMに限定されてしまう。

KTMは990DUKEの展示、

BMWも現行車の展示と、意外に穏か。

ここ最近は各国の2輪メーカーが

現地法人を置くなど、発展が著しい。

それだけ国内のメーカーに覇気が無いとも考えられる。

しかし、この2社に限られると言うのも問題。

折角の機会は有効に使うべきだろう。


2輪、4輪を支える外部メーカーの展示は

環境対策製品の出品が目立つ。

ガソリンやディーゼルの代替燃料などの登場で

新しい技術も登場し、車両メーカーより賑やかだった。

こうした所からも次の方向が見えることもある。

また、今回初のカロッツェリア(カーデザイン工房)の展示や

各種体験・参加型のイベントがほぼ毎日行われたり、

2輪・4輪に関するシンポジウムも連日開催された。

携帯電話による情報発信サービスも展開。

『国際モーターショー』らしさがより拡充した。


環境問題が浮上してから、2輪業界の活気が弱い。

趣味性が高く、相対的なコストが高い分野だけに

取り組みにくい面もあるのは事実だろう。

しかし、外国勢のシェア拡大を見ると、

需要が無いわけではなく、人を惹きつける

魅力あるバイクの登場を待ちつづけているのである。

これからが本当の闘いの場、かも知れない。

文・写真 : 山本賢史

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