File44 アップフェンダー

 一般的なオフロードバイクは、フロントフェンダーがタイヤから離れている形態をしていますね。サスペンションが動いてもフェンダーは動かないものです。
 対して、ロード系のバイクはそのほとんどがタイヤと一緒に動く、間隔の狭いものを採用しています。



 オフロード車の場合、悪路を走ることが多いですから、泥などが詰まりにくいアップフェンダーの方が良いとされています。
 しかし、大型の車両は、ほとんどがダウンフェンダーを採用していますね。アフリカツインしかり、テネレしかり。
 そして、エレファントもその形態です。

 このダウンフェンダーを、アップフェンダーに交換して、オフロードイメージを高めてみましょうか。



 三つ又を下から覗くと、フェンダーの取り付け穴が明けてありました。これは追加工したものではなく、最初から明いていたようです。この穴を使って取り付けます。



 フェンダーは、市販のアフターパーツを使いましょう。オフロード業界ではAcerbisやUFOが多くのパーツを販売しています。今回は、UFOの製品を使用します。
 エレファントはフロントが19インチなので、通常のフェンダーでは長いかもしれません。ここではあえてモタード用の短いものを選定しました。色は車体の塗り分けのなかから、黒としました。



 三つ又の穴は、横58mm縦50mmで、ネジサイズはM6です。
 それにあわせて、フェンダーに穴をあけます。M6ですから6.5mmにしておきましょうか。



 フェンダーが干渉しないか合わせてみたところ、メーターケーブルの取り回しやホーンなどとの位置関係から、30mmほど下げた方がよさそうです。



 そこで、アルミの角パイプでスペーサを作ります。縦方向ではなく横方向に2個使います。これはフェンダーの補強の意味も持ちます。
 角パイプにしたのは、剛性と重量のバランスですね。ほとんど重量が無いに等しい30x15x1.5tのA6063を使用しました。余談ながら、スペーサの穴はフェンダーより若干大きめが合わせやすいので、7mmとしています。



 取り付けは、本来キャップボルトは好ましくありません。六角穴に泥が詰まれば取り外しは利かなくなりますから。今回はステンレスの六角ボルトが入手できなかった(通し穴取り付けですから50mmは必要)ので、キャップボルトを使用していますが、早めの交換が必要でしょう。



 スペーサを使って取り付けたらやや前上がりに感じたので、前側の穴にさらに10mmほど入れて下げます。横着してワッシャーを重ねて入れただけです。前側の取り付けは若干ラウンドしていたのでこの方が収まりは良いのですが、これもステンレスではないので早急に交換しなければ。



 これでアップフェンダーが取り付きました。
 ダウンフェンダーと比較して、位置に問題がないことを確認しましょう。



 不要になったダウンフェンダーは取り外します。取り外すとアルミの補強が出てきました。
 その強度から、フォークのスタビライザーとしては機能しないと思われ、これも取り外します。見た目優先です。



 これで完成しました。さっそくテスト走行しましょう。
 アップフェンダー化で懸念されるのは空気抵抗の増加による高速での風です。強度の高い、小型のモタード用であったためか、そうした不具合は無い様です。

 なにもレプリカしようというわけではなく、ダート走行時の泥詰まり防止(泥に弱い大型車では恩恵は少ないでしょうが)と、個人的な好みの問題ですね。デザインバランスはアップフェンダーの方が良いと思うのですが、どうでしょ?

目次




100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!