さて、1年ほど中断したままだった電動ロールマップ。前編はこちらにあります。
前編では駆動系までを製作しました。
後編では電装系を作り上げ、いよいよ完成です。
駆動軸は、4mmのシャフトです。
延長するなどは考えず、軸そのものをステンレスの丸棒で作ることにします。単に4mmのステンレス棒を切っただけ。
電動ですが、いざというときのために手動でも使えるようにします。そのためにノブも取り付けますが、これは亜鉛ダイカストのものを使用。もちろんプラスチック製の方が軽いのですが、市販のノブ類はM4のねじ込みになっており、プラスチックのものは金属ナットをインサートしたもののために、4mmの穴に加工することが難しい。そこで、無垢材で使えるダイカスト品を使用します。
ノブの固定については、あくまでエマージェンシーと割り切り、セットビスでの固定とします。一番手軽です。
ギヤボックス側はそのまま軸受けとして使えますが、反対側はサポートしてやる必要があります。軸受けにはボールベアリング等を使わず、POM材にプラス目の穴を開けたものを使います。4mmの軸に対し、穴は4.2mmで製作してあります。
さて、電装系にかかります。
基本的に前方向へ巻いていくだけで良いのですが、最初のロール巻きの段階では後ろの軸へ巻いていくわけですから逆転機能は持たせます。
DC1.5Vの単三乾電池を駆動源とするこのケース。電池のプラス/マイナスを入れ替えてやることで正逆転を行います。
使用したのは6極2位置のトグルスイッチで、正転側には別途押しボタンスイッチを設けて断続運転とし、逆転側はダイレクトに連続運転させます。
正転時の押しボタンスイッチは、ゴムブーツで防水されたものを使用。
赤い矢印のものをロール巻きに使います。
このスイッチはバイク用品店で入手したものですが、やや問題がありました。
それは、このスイッチが1回押すとONになって固定、もう一回押すとOFFになるものです。押している間だけONになる、という使い方は出来ません。
そのカラクリは、内部のセレーションによるものです。ここを切り取ってやれば、ラッチ動作にはならなくなります。
端子押し用のコマを加工し、押しボタンスイッチは完成です。
押しボタンスイッチは、手元に近づけたい。そこでケースから分離し、グリップ近くに取り付けます。
マップケースは取り外すことがあるので、配線接続はワンタッチカプラーを使用します。
手元スイッチの赤い方が前述通りマップ巻きで、緑の方はトリップメーターのリセット用です。
マップケースの取り付けは、いつものようにハンドルのブリッジ固定用ねじに取り付けます。今回は重くなったケースの気休めに、アルミのブラケットを使用しました。角度調整のために下側(図中右側)の穴は長穴にしてあり、ザグリも大きくしてあります。
非常時の装備はケース内部に取り付けておきましょう。
必要なのは1.5mmの六角レンチ。
さて、シェイクダウンテストです・・・が、いきなり実戦での使用となりました。
電動はとにかく楽!
しかし、である。
なんと電池が飛び出してしまうトラブルが発生!さらに、マイナス極側の端子が半抜けすることも多く、対策の必要を感じます。
本来はマイナス側がコイルバネになっているものが一番安定するでしょう。
結局、対策の時間がなかったので、端子の曲げを工夫して取り付けたところ、ツールド福井ではトラブルが発生しませんでした。
電動と言っても、高価なものを買う必要はありません。こうして簡単に作れてしまいます。どうでしょ、1台・・・