第25回 国道137号線

 国道137号線は古くは鎌倉往還とよばれています。富士山の麓を通る街道です。



 国道20号線一宮町から分岐する。
 この街道には「御坂みち」という名が付けられている。

 近くを起点とする国道140号線が「雁坂みち」となっており、それぞれ御坂峠、雁坂峠への道を意味しているのだろう。しかしこれらの街道には「鎌倉往還」「秩父往還」といった名称もある。どちらが感じよく捉えられるかは微妙なところか。



 もも、ぶどうなど果物の多く採れるこの界隈。ここはまた「フルーツ街道」として道路脇には露天が並ぶ。



 首都圏から90分、もっとも近いスキー場とされるのがここカムイ御坂スキー場である。



 時は8月3日。まったくもって真夏である。

 ところがここカムイ御坂スキー場の駐車場は車でいっぱい。
 さらに、ウエアをまとったボーダーが板の整備をしている・・・???



 ここは、年中滑れる屋内スノーボードエリアを持つ。ザウスが閉鎖となった今、こうした屋内ゲレンデはスノーボーダーだけのものとなった。比較的距離を要するスキーと違い、ボードは短い距離でも楽しめるからだろう。

 実は私もスノーボードを持っている。もう引退して数年になり、今後も滑る気はないが。
 そんな私の初ボードが、何を隠そうここカムイ御坂の屋内ゲレンデなのだ。
 当然のことながら、滑れる人をターゲットにしているから狭く、初心者の滑れるところではなかったが・・・

 冬にはここも普通のスキー場が現れる。もちろん人工雪を多用するのは言うまでもないが、ナイターを中心に短時間のスキーを楽しむ層が多く訪れる。



 御坂峠の今の本線は、トンネルで一気に抜けてしまう様になっている。しかしそれでは味気ないので、旧御坂峠へ回ってみることにした。



 木立の中をゆっくりと登っていく峠道は、メインルートから外れて久しいわりには道路整備は悪くない。



 林道もいくつかあるが、どれも通行は出来ない。これはちょっとゲート抜けも難しそうだ。



 旧御坂隧道は先の見えない暗いトンネル。中央部が盛り上がっているためだ。バイクであれば問題はないが、車の場合は気を遣う。



 トンネルを抜けると河口湖が見える。御坂峠を越えた瞬間だ。



 峠の茶屋は天下茶屋。古くからその姿を変えていない。
 静かだった峠道の中でここだけが多くの車でにぎわっている。



 ここはやはり武田信玄の兵糧食、ほうとうに限る。
 春菊の香りが他にはないうまみを醸し出す。暑い夏でも涼しい峠の風に吹かれ、熱いほうとうをすするのも悪くない。



 ここ御坂峠が人気を博し、天下茶屋が繁盛するのは、この文人の恩恵に因るところが大きい。
 「人間失格」など、陰系文学の代表的な香りのする太宰治は、ここ天下茶屋にて文筆活動を行った。

 茶屋の2階は今は資料館になっている。

 現代の文人もこうして旅先に滞在して文筆活動に没頭する人が居るのであれば、これからもこうした名所が増えてもおかしくないが・・・



 峠を下って国道に合流する。新御坂トンネルは一気に峠を貫いてここまで出ている。



 あいにくの曇り空のため、間近の富士山がまったく見えない。長い裾野のわずか一部が望めるのみであったのは残念。



 河口湖。富士五湖の中でも山中湖と並んで特に人気のスポットなので渋滞は必至。
 あいかわらず富士山は姿を現してくれないが、ライダーも数多く通過していく。



 鎌倉往還と名が付きながら、国道137号線自体は富士吉田で終了する。とくに大きな交差点でもなくここで終了だ。
 このあたりの国道もいずれは集合していくのではないだろうか?ここが御坂みち一本で残っていくことの必要性を特に感じない今日この頃である。

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