私のデュアルスポーツ暦はおよそ7年になる。

ただし、参加暦よりも開催暦の方が長い。

今でもいち個人単位では在るけれど

毎年開催を続けている。

物事を普通に考えれば幾度かの回数を重ねて、

時として過去の経験から

開催することはあるだろう。


しかし、私の場合は今から7年前の

たった1回の参加によって

参加者ではなく「主催者」という方向を選び、

参加者を兼用すると書いたほうが、正しい。

それは私にとって「主催する」という事に

魅力を感じていたことも大きいが、

それよりも大事なことが、そこにあるからだ。


参加者がこのデュアルスポーツ、

もしくは同系統のイベントに参加する、

あるいはそれを楽しむする理由の中には、

絵図と数値でしか判らない地図を頼りに

先の見えないゴールへと向かう緊張感であり

その中にあるスクラッチ的要素にあると考える。

これはCCR(クロスカントリーレイド)と同じであるが、

デュアルスポーという形式では、

この上に「参加者への門戸の広さ」が加わり、

気軽なCCRとしての位置付けがある。


私は時折、オフローダーにもいつもと違う

新たな視点を与えていきたいと考えている。

それは「群馬トレイルレイド」大会規約の

『普段と違うツーリングを提案する事を前提に』

と掲示、宣言している点にも有る。

オフローダーにも幾つもの楽しみが

あって良いと思っている。


林道走行中心とすることだけでは、限界点もある。

例えば、林道だけを雑誌媒体等で紹介するだけでは、

一時的に集中する可能性が高く、

そこで楽しめるとは考えにくい。

技量が上がれば、林道以外の道へと進むことも多い。

すると必然的に内輪的になっていく。

これでは特定少数者間の「禁じられた遊び」となり、

林道走行という楽しさを伝える手段にはならない。

かと言って、MXやEDに参戦するだけと言うのも

どことなく違和感を感じるところも有る。


反対にオンロードツーリングのような舗装路走行中心では

自然の奥深いところにあるものを

見ることに乏しく、

場所が違うだけで同じような行程を繰り返す可能性が高い。

そういう意味でオフロード的要素とオンロード的要素を

併せ持つデュアルスポーツはある意味で合理的で最適だと考える。

その双方をつなげるのが「コマ図」であり、

普段何気ない道を通ったとしても、

今までとは違う視野で見ることが出来る。


だが、主催することは、そうたやすい物ではない。

1回の大会を行うためには

試走やルート作成なども含めて

相当の時間と費用は掛かる。

人員もある程度は必要になる。

決して気楽なものではないが、

それでも開催を続けていく。


私は参加者がこの道程をしっかりと歩むことを望み、

やがて参加者自身が他の場所で主催することを願い、

デュアルスポーツの可能性が広がると信じている。

こうして今年も開催数され、繰り返していくことで

参加者と主催者の輪が広がっている。

ここから様々な事を伝え、学んでいく。

この奥深さもデュアルスポーツの魅力だと思う。

(参考資料:第16回群馬トレイルレイド規約
文・写真 : 山本賢史

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