トランポの代表格、それがトヨタ・ハイエースです。
現在トランポとして使われている8割方がそうであると言って過言ではないと思います。
ハイエースは、荷物車として一般に広く使われており、レンタカーでも簡単に借りられます。
レンタカーで借りると言うことは、バイク積載用の改造などは一切されていないということです。完全ノーマルのバン、これにバイクを積んでみます。
車両は標準ルーフ・標準ボディのDXグレードです。
バイクを載せるには、ラダーレールが必要になります。
バイクは結構重量があるので、木の板などでは曲がってしまいうまくいかない場合が多い。また段差があるので、押し上げる際に荷扱い者が歩く路板も必要です。
農業系のホームセンターなどでは、農機用のラダーレールが比較的安価で入手できます。今回入手したのはアルミ製の250kg/本耐荷重のものが2本組で12800円というもの。
積み込む際に、一人で作業する場合は、押し上げるのにかなりの力がいります。
この作業で落としてしまう例も有るようです。慎重にならなければ。
あまりお勧めはしませんが、エンジンをかけてゆっくりアイドリングでクラッチをつなぐことで押す力を必要なくし、方向のコントロールに集中した方がかえって安全な場合もあります。ただし、くれぐれも暴走させないように細心の注意を払ってください。
車輪止めがあるかないか、これが改造車との大きな差になると思います。
今回の車両はロング車ではありませんので、セカンドシートは倒さないとバイクが積めません。折りたたんだセカンドシートはやや不安定ですが、後ろから押す力には耐えます。そこで前輪を押し当てることにします。
足の部分に車輪を当て、ハンドルを引くことで固定しようとします。
バイクの場合、サスペンションがあるために、下方向に引き締めても十分には固定されないのがネックですが、無改造のバンにはあまり多くのフックがありません。特に荷室後方にしか存在しないので、どうしてもシート固定フックなどを使用せざるを得ません。
本来横方向に引いた方が安定すると言われており、力の分散から考えてもそれがいいと思います。バンなので窓には横桟が入ってはいますが、100kgを越える車体を縛り付けるには到底強度が足らないのでそれはあきらめます。
実は今回積んだフサベルは、かなり足の硬い車両です。またフロントサスのキャスターも寝ているので、下方向に引いてもサスが縮んでふわつくということがなかったため、わりあい簡単に積めてしまいました。
これがキャスターの立ったソフトなサスだった場合はこうはいかないかもしれません。サスを縮めて積むという説もありますが・・・
固定は左方向にハンドルを軽く引き、メインはフレームを左前方に強く引きます。サイドスタンドに荷重をかけて固定するものです。要は動いてしまわなければ基本的にバイクは車輪2個とサイドスタンドで自立するわけですから。
ハンドルは軽めにした方が前述のサス問題が起こりにくいので良いかと考えていますが。
右側は、飛ばないようにするだけです。ここを強く引いては結果的にサスが縮んでしまい、せっかく強く引いた左側フレームがゆるんでしまいます。固定力はあくまで左フレームのみ。
本来3本で十分なのですが、右側のハンドルも引いています。
それは、標準ルーフ車に車高の高いオフロードバイクを積むためです。
標準ルーフでもミラーさえたためば十分に入りますが、ハンドルを左に切ると、ハンドルがルーフに当たります。
そこで若干右向きにハンドルを固定するために右側を引きます。これも必要なだけ引くことで、あまり強く引いてサスを縮めない要に注意します。
この積み方で、1000km走って高速から峠道、町中まで使ってもバイクの固定に問題はありませんでした。長期間の積みっぱなしではどうなるかわかりませんが、レンタカー使用での条件としては問題ないと思います。
サイドスタンドに荷重をかけて積む、ということは、こういうことになるわけで・・・
この車両は完全に荷物車両で、カーペットもあまりきれいではなかったのでそのままバイクを積んでいますし、こうした傷も問題になりませんでした。レンタカーの場合はいいとして、個人車では気にする場合もあるでしょうから、それなりに対策は必要かも知れません。
こうしたことも含め、個人所有でトランポにする場合は何らかの改造は施した方が良いと思いますね。
バンなので、荷室と居室を分けるバーが装備されていますが、セカンドシートが有ればバイクは飛び込んでは来ないので、これは外しておいた方がなにかと不自由することがありません。外さないとシートが倒れないですしね。
もちろん、返すときにはきちんと戻しましょう。