第34話 行けなかった。そして誰も

 関西界隈においては、五月第三週はキャンプ会と決まっている。
 しかし土曜日も通常出勤となっている月の3週目、これまでもなかなかキャンプには参加できず、夜だけあるいは翌日参加で林道だけ、という様な状況が続いた。

 さらに、某誌発売月である奇数月はなにかと走りに出る機会が多い・・・のだが、梅雨の走りか五月雨か、天気に恵まれずにすでに3週目。CCRと探し物、どちらも行きたい我々にとっては日にち調整が必要になる。
 幸い、CCRが針からおそらく三重県側、そして探し物は案内人がキャンプ会の主催者でもあることから例のごとく飯高となっている。まとめて1日でいけないこともない。うまくいけばキャンプ会の面々にも会うことが出来るかも知れない。



 日曜日。折から心配されていた天気はなんとか持ち直した。
 スタート地点の針テラスにはいつも通り10時前に到着。しばし人待ちなどしてみる。

 しかし、どうも今週は誰も来ないようだ。もっと待てば誰か来るかも知れないが、あとの予定もある。さっさと出発した。久しぶりの単独CCRだ。

 コマ図にマーカー入れて修正済み

 いくつかのルートが変わっていた。それは某誌のホームページの掲示板などに情報として上がっていた。情報提供はいつもの仲間。今やインターネット無くしては雑誌関連でさえ成り立たなくなっている。



 ダートに突入するが、すぐにそれは農道の姿になる。今日は日曜日。

 今の農業はそのほとんどが休日農家であり、休日の農道は作業の車と人が多く、関係のない者が通行することははばかられる。ましてや作業中の車を押しのけて走るなどもってのほかだろう。
 実はこの先のコマが非常に難解だ、という情報を得ていたが、そのコマまで入ることは出来なかった。
 ルートはほとんど地図で読めるので、国道へ出ていくつかのコマをパスする。距離を補正して信号のあるコマから再スタートした。



 このところの五月雨でぬかるんでいる。ブロックが十分に残っているMT21なら問題はないが、TW152のファンデユーロだと緊張の一瞬だ。水辺を走るのでハイカーも多い。速度を歩くほどに落として軽く会釈してすれ違う。たいていのハイカーはバイクを特別視はしない、と思っている。これまでそういう場面に出くわしたことはない。ほとんど好意的に接してきている。

 最近設定されたフォトポイントが、今回のルートを簡単に解らせたポイントだった。CCRにフォトポイント、まるでBACKtoOFFroadの林道探索倶楽部の様ではないか(爆)
 かつてこの場所は、GPSで使われており、ここからどの林道を通ってどこに出るのかはほぼ特定できていた。
 その林道は難易度が高い。ガレの要素が比較的高いのが原因だ。以前はサスペンションの柔らかいDRでの走行だったから全く何事もなく通れたが、腰の強いフサベルを押さえ込むにはそれなりのウデも必要なようだ。大きな乱れもなく通り過ぎたが、大型車なら避けるのが無難だろう。



 そして、ゴールの駐車場へ。以前のCCRならばここに最低限郵便ポストがあり、パスチェックなどの答えを書いてポストへ投函していた。それがなくなり、なんとなくしまりのない終わり方になってしまったのは時の流れのためか・・・

 さて、飯高へ行こうか。

 再び山道へ戻った。ここから飯高までは1〜2時間で到着すると思われる。
 県内とはいえ普段あまり走らない地域なので道がわかりにくい。地図を何度も取り出して、平行する2本の国道を結ぶ県道を探すがどうにもわからない。やむなくGenioにGPSを装着し、現在地を取得する。

 飯高で毎年関西林道キャンプ会が開かれている関係で、5月の探し物はかならずこの近辺にある。確かに県内なのだが、それほど行きやすいとは言えないのが難点で、また多くの林道は何度も走ったことのあるところでもある。何より今回の出題にある林道は、昨年のキャンプ会の後仲間と走りに行った道ばかりだ。



 昨年N氏、S氏と雨上がりの林道を走った。その時に入った林道が今回の紹介にある。
 知った道だけに未知の要素は少ないが、探し物であるからにはそれなりに目を配っているわけで。



 スカイラインロードに戻ってしばらく行けば林道細野山線に出る。飯高北奥林道の碑がある広場から入る。
 ここはもっとも高い位置を走るのだが、案外見晴らしは開けないのだが・・・



 このゲートが開けられることを知ったのは、その時すでに中に入っている人が居たからだ。我々3人もそれに追従した。「開けたら必ず閉めてください。御願いします」と書いてある。当然のこと、入れてもらっているのだから、きっちりと閉めよう。

 こういう場合、入って良いかどうかと言われれば、入るべきではないのだろう。もちろん誌面では「頑丈なゲートで終点」とある。
 が、立ち入り禁止の記載もなく、作業も行われていない今、単独行でもあったので、入らせてもらうことにした。



 ゲートから終点まではすぐに着くが、その間の風景は素晴らしい。これを誌面で紹介するのは避けた方が良いだろうし、今回の案内人の判断は正しいと評価できる。ここに入ることは褒められたものではないだろうが、ここにこの景色がある以上入ってみたいのも心情というもの。



 昨年迷って入り込んだ林道も紹介されていた。さらに、昨年は工事中で作業中の人に状況を聞いた三峰局ケ岳線は水ケ平線にすでにつながっているということだ。出会った軽トラの人によると、一応通れないようにしてあるが通れるよ、という。落石のおそれがあるから、ということだった。



 時間はすでに4時を回っていた。さすがに誰も残っていまい・・・
 とりあえず林間キャンプ場へ行ってみる。どうせ帰り道なのだし。

 案の定、そこには誰もいなかった。



 昨夜はこの場所で焚き火が行われたのだろう。
 そして今朝はこの場所で恒例の・・・

 今年はまったく会うことさえ出来なかった。来年もおそらく同じ時期に同じ場所で行われるキャンプ会。
 そして、来年もここに参加できる可能性は、極めて低い・・・

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