第33話 さすがに行かんわな

 世間がゴールデンウィーク後半の休みに入る頃、私は仕事で出張に出ていた。帰ってきたのは5月もすでに9日、探し回ってやっと見つけたあの雑誌。
 デフォルトの最初の日曜日が迫っている。某所(っつーか、これだけの設備のあるところは限られるが)へ雑誌を持っていき、CCRのマップをスキャナーで読み取ってドキュワークスで拡大し、A2サイズのレーザプリンタで出力した。都合2倍の大きさになるが、テープでの連結が少なくて良い。大きなサイズのプリンタは便利だ。

 が、しかし。

 Yahoo天気予報で見たら、思いっきり雨・・・


 翌朝6時半、目覚めてみれば車の上には雨の粒が。こりゃダメだ、と2度寝する。
 しかし8時半、水滴は既に消えていた。もちろん青空など見えるわけもないが、空は明るくさえ見える。



 じゃあまあ、とマップを巻く。

 天気も天気なので、上から下までぬれても良い格好でそろえる。
 準備万端、部屋の扉を開けた・・・


 雨じゃん!


 いつのまにかまた降り出した雨。降りは強くない。
 昨夜、「出る時間に降ってなければ行く」などと言ってしまった手前しばし空を見上げて考える・・・


 無理だ、やめよう。


 しかし、誰か来ているかも知れない。それが自分の書き込みによるものだとしたらちょっと責任を感じる。


 行ってみるか・・・



 バイクでは無理な降り方になってきていた。迷わず車を選択する。
 この状況でバイクで来る人は居るまい・・・そう思いながら雨の中を少し速めに先を急ぐ。

 上野から山添といった山間部の降りはかなりのもので、伊勢湾岸地域とはかなり違う。これでは誰も来てはいないか。



 そんなとき仲間からメールが入った。ヤツも雨でひよったクチだ。ついでに連絡帳を見てみれば、「雨で止めた」の書き込みも。そりゃそうだろう。



 まあ車とはいえここまで見に来る俺も相当物好きなのではあるが。
 スタート地点の針TRSには、やはり誰もいなかった。いかなこと、この天気ではさすがに行かんわな・・・

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