第32話 おかげで今年も初林道

 冬の間スキーに本腰を入れていたため、車検を遅らせていたフサベル。このバイクはそれ以上にメーターが動かなくなっているという大きな問題を抱えている。メータ無しでは車検も何もあったモンじゃない。一度は分解して修理を試みたのだが、どうにもならずに新品を購入することにした。
 ショップに預けてほぼ1ヶ月。何の音沙汰もない。心配になって電話してみたら、
「メーターがバックオーダーで入荷が未定なんです」
という返事。こりゃまいった。



 3月も後半を迎え、暖かくなってきた。そろそろ林道へも行っておきたいところだ。しかし、一部の林道がF650では厳しい、ということ。それでなくとも久しぶりの林道になるので、あまり無理なところは困る。まあいまさらガッツいて行くこともないので、無理なら引き返すか、と軽い気持ちでF650のエンジンに火を入れる。電気系の不調(原因は先月号の通り)で一度ショップ入りしたので調子は万全だ。



 本日開通の準備が続く湾岸道から相変わらず渋滞の安城・岡崎を経て音羽まで国道一号線を行く。朝が遅かったためエリア入り口の名電赤坂ではすでに昼。コンビニでお茶とおにぎりを調達した。エリアの規模からしてすぐに走りきれるのだが、どうしても事前情報というのは気になるもので、万が一のことを考えて装備はやや大げさになっている。F6では滅多に履かないブーツやモトパンにプロテクターと、こうした食料も持っての林道入りだ。



 入ってしばらくは確かにガレていた。ガレそのものはF650にとって難しい路面とは思わない。重心が低く足つきは良いのでそういう箇所は特に苦にはしない。しかしクレバスは要注意で、この車重では一人で引き上げることはほぼ無理ということになりかねない。
 ガレ場を越えたらあとは少々の落石などあったものの概ねフラットであった。フサベルなら先ほどの区間も含め、まったく何事もなく通り過ぎていける林道だろう。



 地図に載っていない林道が多く存在する。どれがまともな林道なのか判断付かない。
 左手の林道がいいか、あるいはF6の後方に少しだけ見える廃道っぽいのがいいのか・・・フサベルなら廃道などでも問題ないが、F6にはどだい無理な話だ。ここは行けそうな左手に行ってみる。



 ここはまともな林道だったが、ぬかるみはどうにも嫌いなこのバイク・・・というかタイヤ・・・ではこうしたぬかるみが見え始めると戦意を喪失する。早々にUターンして引き上げる。



 先ほどの分岐へ戻って、別の林道へ。
 途中に分岐があるが、右は急坂でとてもF6の手には負えない。迷わず左へ。



 材木のころがる作業場から先は極端に細くなる。ここから先は行かなくても良いか、と引き返す。



 いつもの仲間がやってきた。
 別に連絡を取っているわけでもなく、なぜか同じ頃に走っているのが面白い。



 別の林道、石原河原線へも入っておく。
 ここは快適なダートが続く。見通しもよく路面も穏やかだったのだが。



 しかし突然の崖崩れが道を阻んだ。軽量な車体なら行けないことはない細いルートは確保されていたが、F6の大柄な車体が通り過ぎるにはやや狭い。この林道は行き止まりであることもあり、ここで引き返すことにした。

 時間はもうすぐ3時になる。

 朝通ってきた伊勢湾岸道が、豊明まで通じる時間だ。一昨日には我が家の近くを通って東名阪まで接続していた。帰りはこのルートを全線使ってみることにしよう。道路の近代化は進みつつある。それによって林道が失われていくのが一番怖いのではあるが・・・
 ともあれ、今年も無事で初林道走行を楽しむことが出来た。今年も一年無事故で過ごせますように、と。

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