File46 



寒い冬には温泉が楽しい。

全国各地には多種多様な温泉が点在し、

人々に癒しの時間を与えている。

1つの温泉郷に幾つもの共同浴場がある場所も多い。

新潟県の湯沢温泉郷には、「外湯巡り券」という、

町営の5ヶ所の温泉が楽しめると言うモノがある。

スタンプ形式で1枚1500円。通常よりも700円安い。

これを使って、指定された5ヶ所の外湯を

勝手に紹介など交えながら浸かり継ぐ(?)

『外湯1日制覇』の旅に、今回はお付き合い願いたい。

宿場の湯(湯沢町二居)

この外湯の中では最も県境に近い場所に有る温泉。

向かいの奥はかぐら田代スキー場、

数キロ先には著名な苗場もあるし、

近隣には貝掛温泉郷も控える。

施設的には最も揃った場所で、

湯沢の資料館、食堂、大きめの休憩室も備える。

その分なのか、入場料が高め(通常が600円)

だったりするのは、やむを得ないところだが、

主要国道に隣接している感じはしない。

街道の湯(湯沢町三俣)

宿場の湯から市街方面へ向かい、

貝掛温泉郷を過ぎた先にあるのがこの温泉。

温泉を挟んだ対岸が、かぐら三俣スキー場。

建物全体が木造で、

浴場は天井の高い桧作りになっている。

この外湯めぐりでは唯一、

小さいながらも露天風呂が用意されている。


ところで温泉巡りを趣味とするライダーって、

どの位居るのだろうか?

良く話しとして『1日で何湯も廻った』とか聞くけど、

私的には温泉はそう何個所も入ることが無い。

たった2個所でのぼせると言うか、茹で上がってる。

距離があまり離れていないからとも言えるけど、

それだけじゃないような、と思う。

でも、次の場所へ向かう過程は、

冬のツーリングではなく、夏の昼間のようだ。

熱気冷めぬまま、次へと向かう。

山の湯(湯沢町湯元)


湯沢の市街地のやや外れに有る共同浴場。

じつは以前に来たことの有る場所。

この場所は高台にあり、町の風景が良く見渡せる。

古くからある温泉の1つで、

地元の人がこよなく愛する場所でも有る。

実際、ここに来る人たちの大半は近所の住民である。

脱衣所での会話も、地元色が強い印象を受ける。

また、湯沢が舞台の小説「雪国」の作者、

川端康成もここにつかった、という話があるとか。

駒子の湯(湯沢町下宿)

「山の湯」のある越後湯沢駅の西口から、

東口へと移った先にあるのが駒子の湯。

住宅街の坂の途中に有る、といった印象。

駅にも程近く、交通の便も良いことも有り、

利用する人の数は随分と多いが、

割と落ち着いた雰囲気が有るのが特徴と言える。


午前中から始まった果敢な温泉巡りの旅。

台帳にスタンプ4つ押されるまでに日も傾き、

途中からは雪が降り始めて、腹が減る。

結構足元が覚束無い状態。

先述の『1日で何ヶ所も巡る人』を尊敬したくなる。

達成するための秘訣が絶対ある、と思う。

昼食は食べているけど、湯沢の駅前で更に補充。

何事も無事に終わらなければ意味が無い、

と、勝手に思いこんで最後の1ヶ所を目指す。

「岩の湯(湯沢町土樽)」


関越道の湯沢ICからは最も近い場所に有る温泉。

隣は「湯沢フィッシングパーク」で、

春から秋頃までは人口河川や池を利用した釣りや

バーべキュウ等が出来る。

冬は岩原スキー場など数多くのゲレンデがあり、

1年を通して家族単位でも楽しめる、という訳。




県境から麓まで、5ヶ所の外湯を制覇するのに

掛かった時間は、およそ7時間ほど。

およそ1時間ごとに1湯入った事になる。

全てに入ると共同浴場から記念品が渡される。

今回は『岩沼産コシヒカリ(1合分)』である。

「外湯めぐり券」自体は季節柄とかに左右されない。

有効期限を設置しないので、焦らず急がず楽しめる。

記念品はその時によって多少の違いは有るらしい。

何が出るかは、現地を訪れて検証してみよう。
文・写真 : 山本賢史

目次




100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!