林道に雪が降れば
東海地方など温暖な地域ならば、冬でも林道を走ることが出来る。
しかしそんな地域はどちらかといえば平地が多く、林道そのものが少ない。林道はその名の通り山にあるのであって、冬は雪に埋もれることが多い。
一年中を通してバイクに乗る人もいれば、夏はバイク、冬はスキーやボードで山へ向かう人もいる。山が主戦場のオフロードライダーはやはり山へ行くのか・・・というとどうもそうばかりではないようで、以外とスキーなどにいそしむ人は少ないのかも知れない。
夏に紹介した奥志賀スーパー林道は、冬の間は深い雪に埋もれる。
その両端には著名なスキー場が広がり、バイクを板に乗り換えた人々が集まる。
近年スノーボードのシェアが上がり、かたくなにボードを拒んでいた野沢温泉においてもスノーボードが滑走できるようになった。もう一端の奥志賀では今もボードは閉め出されている。
スキーとスノーボードの関係を、車とバイクの関係と言われることがある。
基礎スキーやスキースクールの一見規則正しい動きに対して、フリーライドに見えるボーダーの姿が、ライダーと重なるのだろうか。
それはしかし、バイク・ボードの両方に対する偏見ではないだろうか。
オフロードバイクの走るエリアは、ラフロードであるので路面は凹凸があってしかるべし。突き詰めればモトクロスのジャンプスポットに行き着く。
スキーの世界にはモーグルと呼ばれる種目があり、それはひたすら続くコブ・・・凹凸斜面を滑るもの。
実はバイクと通じるのは、スキーではないか。
少なくともオフロードバイクとスキーの動きに共通点は多い、と見える。
ことオフロード車両にとっては、車とバイク、スキーとボードの関係が一般の見方とは入れ替わるように思われる。
一見フリーに見えるボードの滑走をよく見ると、実は規則正しいことがよく分かる。一枚の板に乗るために急な変化は難しいようで、滑走ラインは一定している。
近頃のスキーは動きの許容度が高く、コブ斜面などのライン取りの自由さはボードより高い。
オフロード4駆がスノーボード、オフロードバイクがスキー。そんな気がしないか?
・・・それも偏見かも知れないが・・・
スキー場は開けた斜面ばかりではない。
林間コースとして設定されたルートは、夏の間は林道であることが多い。
奥志賀スーパー林道も一部が野沢温泉スキー場の林間コースに組み込まれている。
スキー場としての快適性を追っていくと、林間コースに使われる林道は整備されたモノの方が使いやすい。車道はあまり勾配も強くないので、林間コースは初心者向けと指定されている。スキー場としては雪面から石が出てくると危険なので夏場の整備が重要だ。ダートのままだとどうしても荒れるので、舗装してしまうことも。舗装すると雪持ちが悪くなるので土のダートが好ましいのだが、最近は春スキー期間の営業はあまり重要視されていない傾向にあるようだ。
スキー人口が以前に比べて減っている。
著名なスキー場でさえリフト待ちすることがなくなった。
そして、それはバイクでも感じられる。
大型免許が取りやすくなったことで大きなバイクは増えた。しかし、それは今まで小さなバイクに乗っていた人が大型にシフトしただけで、バイク人口自体が増えたようには見えない。
我々のオフロードバイクにもそれは顕著で・・・ここにもそういうヤツがいるが・・・山を走る軽量なオフロード車両から、重量級のデュアルパーパス車両に移っていく傾向が多く見られる。
それらの難しいことはあとにして。
冬はバイクで林道も良いけど、スキーで林道も、良いよ。
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