第十一回



昨年末、カワサキ唯一の原付オフである

KSRが新しくなって発売された。

エンジンは2サイクルから4サイクルへ、

50cc、80ccから110ccというサイズに変わった。

KSRの発売当初から大きな変更と言うのは無いので、

事実上、10数年振りのリニューアルとなる。

ここでは原付2種クラスに限って色々掲示したい。


私的にはKSR2との付き合いは長く、

1994年から5台ほど乗り継いできた。

KSから始まるスーパーバイカーズレースをイメージし、

オンオフ共に気軽に楽しめる1台という位置に有る。

その魅力はあまりにも小さい車格に、

2サイクルの有り余る出力が詰めこんでいるのに、

それでも2輪2足でしっかりと、どこでも入っていける事。

乗る側に強烈なインパクトを与えるのは、

いかにも『カワサキらしい』といえる。


長い年数発売しているわりには

どちらかというと玄人嗜好なところが強く、

あまり目立たない存在では有ったものの、

近年の排ガス規制目前で注目を浴び始めると、

今まで無かった社外パーツも増え始めて

巨大なオーナーズクラブまでもが存在するにまで至る。

発売当初は乗り味もかなり過激なもので、

下手すれば出足で車体を放ってしまうほどだったが、

最終形となった1998年モデルあたりからは

CDIによる抑制を行っているようで、随分と大人しくなった。


そして環境にも配慮した現在のKSR110になった。

基本体はKEシリーズ。アジア諸国では20年近い現役で、

昨年発売されたKLX110を大元に、

現在の国内規制とKSRの車格に合わせた。

乗ってみて感じることは、エンジン自体の違いもあり、

異種の4速ロータリー変速という仕組みの違いはあるけれど、

フィーリング自体は限りなくKSRに近い。

これは単純に排気量が110ccだからこそ出来るのであって、

同じ80ccのままでは、非常にストレスに感じるだろう。

反対に、2サイクルに比べて燃費は遥かに上なので安心感は有る。


先日KSR110と共に東北に小さな旅へと出た。

途中、荒涼とした田園の中に大きな風車群が現れた。

吹いている風に、風車がゆっくり回っていた。。

そしてこれから吹こうとする風が来る。

その強さは決して軽やかでは無いかもしれない。

それはバイク業界の今、ユーザー層の今を見ているよう。

世の中の変化に合わせてバイクも様々に変化する。

たった1度出たきりで、そのまま終えるものもある。

周囲に左右されず、ひたすら我が道を貫き通すものもある。

この風は、どれくらい吹いてくるのだろうか。

文・写真 : 山本賢史

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